最近は、自分の部屋をイカした内装にコーディネートにする若者が増えていて。
実際、知人の家に訪れたら、家の中なのにミラーボールがぶら下がっていた。
正直、私は面食らってしまったのだが、今やシャンデリアを飾る人だって珍しくないかもしれない。それほど、巷の“お洒落ルーム”へのモチベーションは高い。

そして、これは文句なく“お洒落”だと思う。これは、私も素直に「いいな」と思う。オンラインショップの「密買東京」で販売されている『Every Light Thing(エヴリ・ライト・シング)』は、アンティークのカップを逆さまにして灯すランプシェードなのだ。

この商品を製作したデザイナーの中安秀夫さんに伺ってみた。どうして、こんな物を作ろうと思ったのですか?
「『どんな物でもランプシェードになるんじゃないか?』と、ボンヤリ考えていたのですが、その時目に留まったのがティーカップでした。食器棚に逆さまに置いてあったのが、逆にランプに見えてしまったのです」
色々な物を使った実験が重ねられ、辿り着いたところがアンティークのカップ。誰の家(特に実家)にも、使われなくなったカップはたくさんあったりする。身近な物が、新たな使命を与えられて生き返ったのだ。

中安さんによると、食器として使うにはちょっと抵抗のある柄物のカップなども、照明にすると可愛くなるという。
「基本的にあまり作り込んだデザインが好きではないので、出来るだけデザインしないようにデザインできればと考えています」
すでに存在するデザインの力を借り、素材の良さを最大限に引き出している。


このランプシェードは7月27日より発売されており、男女問わず30~40代の方からの購入が多い。少し落ち着いた“お洒落”を楽しみたくなる年代なのだろうか。
価格は、1点で16,800円(税込み)。

実は、中安さんはNovelax(ノヴェラックス)というデザイナーズグループに所属しつつ、その一方ではアートディレクター・グラフィックデザイナーとしても活動中。ブランドのディレクションやロゴデザインなども手がける、デザイン界の手錬である。
そんな人だからこそ、以下の発言がコク深い。
「世の中には、もうありとあらゆる立派なデザインがあるから、僕がわざわざ新しいデザインを生む必要はないかな……と」

一周回って、到達した境地か? 奥が深い。
(寺西ジャジューカ)
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