昭和の頃から愛される福井のご当地ドリンク『ローヤルさわやか』

20世紀の懐かしい清涼飲料水を集めた『なつジュー』（ミリオン出版）なる本があるけれど、福井県出身者にとっての“なつジュー”認定間違いナシ!?　と思われるこんなドリンクを見つけた。1970年代からあるという、『ローヤルさわやか』なるメロン味の炭酸飲料である。レトロな書体の感じとか、昭和なネーミングにもぐっとくるものが……。

製造元の『北陸ローヤルボトリング協業組合』という地元メーカーにお話を伺ってみたところ、ラベルのデザインなどは昔からまったく変わっていないという。
「発売当時は瓶入りで、県内の学校近辺のお店にはほとんど置いてありました。王冠の裏にくじが付いていて、子ども達の射幸心をあおっていました」とのこと。きっと、当時の小学生は友達と近所の駄菓子屋さんなどに寄って、王冠くじのあたりはずれに一喜一憂してたんでしょうね～。ひょっとしたら、「今日、“さわやか”してく？」などという、仲間うちの合言葉にもなっていたかもしれない……と勝手に妄想。ところで、この瓶入りは現在も生産されているのでしょうか？

「ええ。でも残念ながら販売店が激減していますので、あまり見かけることができない状態です。県外の福井県人から昔のさわやかがほしいというメールを時々いただくのですが、瓶は数が限られていますので県外へは販売することができませんでした。ペットボトルの1.5Lとか500MLのものはあるんですが、昔のままの瓶入りがいいというわけです。それでワンウェイ容器のサイダー型瓶を使って、復刻という差別名称を付けたものをネットでも販売するようになりました」

なるほど！　それで「復刻」とついているものがあるんですね……。ちなみにネット通販を利用されるのはやはり福井県出身の方が多いのでしょうか？
「99％が福井県人か、もしくは、旦那さんとか彼氏が福井県人という方ですね。今は県外に住んでいるけれど、懐かしくてまた飲んでみたいという方が通販を利用してくださるようです」

ちなみに、『ローヤルさわやか』にはメロン味のほか、実は「ラムネ味」「グレープ味」もあるのだが、やはり福井県人にはメロン味が定番という。う～む、メロン＝いちばん高級でおいしいはず！　という価値観もなんとなく昭和っぽい（ちなみに、成分に果汁はまったく入っていない）。しかし私もやはり、この3種類の中だと迷わずメロンを選んでしまいそうだ。

というわけで、福井県人ではない者にとっても不思議と懐かしい昭和の味、『ローヤルさわやか』。こんなオリジナリティあふれる“なつジュー”があるなんて、地元人がチョットうらやましい!?　あなたも風呂上がりなどに一度、“さわやか”してみてはいかがでしょう？
（まめこ）