「双六」「オセロ」「人生ゲーム」……。テレビゲームにおされて、今ひとつ影の薄い日本のボードゲームたち。
しかし、世界には子どもから大人まで楽しめて、思わず熱中してしまう名作ボードゲームが、たくさんあります。

これらが最近、続々とiPhoneそしてiPadアプリで発売されているんですよ。一人でも多人数でも、さらにネット対戦でも楽しめちゃう。そんな、おもしろさ120%保証付きのアプリ群を一挙紹介しちゃいます。

ブロックス

小正方形を1~5個つなげたカラフルなピースを使った陣取りゲームです。ボードの四隅からピースを順番においていき、できるだけたくさんマスを埋めた人が勝利します。
自分のピース同士が頂点で接するように配置しなくてはならず、辺で接してはいけません。逆に他者のピースには辺でつながってもOKです。ピースとピースの間を頂点で「すり抜ける」置き方もできますよ。単純なように見えますが、勝つためには陣地の拡大と防御のバランス配分が肝心で、ヨーロッパでは全国大会も開かれているほど。iPhone版では、さまざまな条件をクリアしていく一人用のカップモードと、手軽に遊べるクイックプレイ。そしてBluetoothとWi-Fiで4人までのローカル対戦、インターネット対戦が楽しめます。


公式ゲーム(RISK)

なぜかAppStoreでは「公式ゲーム」となっていますが、正しくは「RISK」。1957年に誕生した、ファミリー向け戦略ゲームの古典です。プレイヤーは自分の手番ごとに部隊の「増援」→「攻撃」→「再配置」を繰り返しながら、世界征服をめざして領土を拡大していきます。一見すると難しそうですが、増援は領土を選んでタップするだけ。攻撃はサイコロを振って、目の大小で勝敗が決まるなど、とってもシンプルなんですよ。援軍の数は主に領土数によって決まり、領土を広げるほどに強くなりますが、防御が薄くなるジレンマにも陥ります。
領土拡大で得られるリスクカードの組み合わせで、一発逆転される危険性も常にあり、気が抜けません。iPhone版ではBluetoothとWi-Fiで4人までローカル対戦が楽しめるほか、一台のiPhoneで6人まで対戦プレイも楽しめます。

SCRABBLE(スクラブル)

英単語を作成しながら得点を競うゲームで、これまた1948年に誕生した古典的名作です。プレイヤーはアルファベットの記された7枚のタイルを持ち、クロスワードパズルの要領で英単語を作り、ボードに並べていきます。名詞の後に「s」をつけて複数形にする、なんてやり方もOKですよ。タイルに書かれた数字の合計が点数になるほか、色のついたマスに配置すると2倍、3倍のボーナスがもらえます。
iPhone版では単語が浮かばない時に、コンピュータが替わって回答してくれる、お助け機能も追加。Wi-Fiで2人までローカル対戦が楽しめるほか、一台のiPhoneで4人まで対戦プレイが楽しめます。またiPhone版に加えてiPad版も配信中です。iPadを囲みながら、iPhoneをタイルラックに使ってプレイする、なんて組みあわせプレイにも対応しています。

carcassonne(カルカソンヌ)

地形タイルを配置して地図を作りながら、得点を競うゲームです。プレイヤーは1枚ずつタイルを引き、それまでの地形にあわせて配置していきます。
この時、得点を狙うならコマも一緒に配置しましょう。タイルが並べられていく過程で、道路・都市・修道院が完成すると得点がもらえ、コマも回収できます。同じ都市に複数のコマがおかれた場合は、最もたくさん配置したプレイヤーに加算されるので、都市などで激しい争奪戦が展開されることも。一方でコマは一人につき7個しかないので、うまくタイルをつなげて得点を重ね、コマを再利用しなければなりません。文字で書くと混乱しそうですが、内容はいたって簡単です。iPhone版ではBluetoothとWi-Fiで5人までローカル対戦とインターネット対戦が楽しめるほか、一台のiPhoneで対戦プレイも楽しめます。


catan(カタン)

世界最大のボードゲーム大国・ドイツを代表する名作です。ゲームの目的は無人島を開拓して得点を重ね、特定の点数にいち早く到達すること。プレイヤーは毎回サイコロを振り、出目に従って各人が資源を受け取り、家や道路などを設置していきます。建造物の設営には、それぞれ決められた資源が必要で、お互いの交渉で取引できる点がミソ。資源を消費してチャンスカードを入手すれば、特殊効果も得られます。得点手段には大きく「道路をのばす」「家や街を増やす」「チャンスカードでボーナス」の3種類があり、展開に応じて巧みに組みあわせることがポイント。iPhone版ではソロプレイのほか、一台の端末で4人まで対戦プレイが楽しめます。

 これ以外にもAppStoreには、おなじみ「モノポリー」をはじめ、多数のボードゲームアプリがあります。なにしろデジタルだけに、ルール判定が厳格で間違いがない。初心者がルールを覚えるには最適です。なお「RISK」「carcassonne」「catan」は英語版アプリなので、初心者はリンク先のサイトなどを参考にするといいでしょう。(小野憲史)

一通りコツをつかんだら、iPhoneやiPadで対戦するもよし。一歩進んで、ボードゲームを実際に買ってプレイするもよし。秋の夜長を過ごすには最適です。(小野憲史)