書店の児童向け偉人伝記コーナーで、イチローや中村俊輔などの新しい顔触れに混ざって、意外な人名を見つけた。
『素顔のアーティスト 木村カエラ』(汐文社)。
そういえば、児童書の老舗・ポプラ社が2009年3月から出している新しい伝記シリーズ30巻では、北里柴三郎、二宮金次郎、一休、リンカーン、ノーベルなどが消え、漫画家・手塚治虫や映画監督・黒澤明、ホンダ創業者の本田宗一郎などが取り上げられていることが話題となっていたけれど……。
それにしても、なぜ唐突に木村カエラ?
しかも、ハードカバーのかっちり感や渋めのやや野暮ったい装丁、本文の大きな文字なども、どこらへんの層を狙っているものなのかわからない。
木村カエラといえば、近年は「Butterfly」が結婚式の定番ソングになっていたり、屋根の上で妙な踊りをしてたり(※CM)、そりゃ、ある一定の年代の女性にはなんだか人気があるけれども。
優雅にスローに作業するレジの女性に「頼むから早くカバーをかけてくれい~!」と心の中で懇願しつつ、こっそり購入してみた。
気になる中身は……。
冒頭から「すてきなカップル」として、報道関係に寄せられた木村カエラのコメントが1ページ以上にわたって掲載されている!! 続いて、瑛太の公式サイトでのコメントも約1ページ!! ひえー。
二人の結婚についての記述の後にくるのは、「カエラという名前」という小見出しだ。
「カエラは英字表記すると『kaela』となる。ヘブライ語で『最愛』という意味があるようだが、本人は、名前に深い意味がこめられているかどうかは知らないようだ」「一説によれば本名は『カエラりえ』だという」
??? そういえば、本人の「自伝」をゴーストライターが書く本は多数あるけれど、本人と全く縁のない人が「~ようだ」「一説によれば」でぐいぐい突き進む有名人本というのも珍しい気はする。
本の構成は「音楽の中で育った」「モデルになる」「歌手への道」「舞台は広がった」「いよいよスターに」「新しいスタート」の6章立てだが、女性誌の特集よりもユルい内容の、分厚いハードカバーの本。
イチローや中村俊輔の「偉人伝記」シリーズというよりは、昔、『小学○年生』などの学年誌についてきた付録「松田聖子物語」とか「ピンクレディー物語」に似ている気がする。
他に、この「素顔のアーティスト」シリーズには、ゆず、新生EXILE、Perfumeがあり、さらに「情熱をかなでるミュージシャン」シリーズの顔触れは、EXILE(また出た!)、コブクロ、絢香、ラルクアンシエルとなっている。
EXILEの素顔・情熱が描かれた本といえば、お金の儲け方指南とかが書かれてたりするのだろうか。ちょっと興味深い。
新しいようで、懐かしく牧歌的な有名人本、一度読んでみませんか。
(田幸和歌子)
『素顔のアーティスト 木村カエラ』(汐文社)。
そういえば、児童書の老舗・ポプラ社が2009年3月から出している新しい伝記シリーズ30巻では、北里柴三郎、二宮金次郎、一休、リンカーン、ノーベルなどが消え、漫画家・手塚治虫や映画監督・黒澤明、ホンダ創業者の本田宗一郎などが取り上げられていることが話題となっていたけれど……。
それにしても、なぜ唐突に木村カエラ?
しかも、ハードカバーのかっちり感や渋めのやや野暮ったい装丁、本文の大きな文字なども、どこらへんの層を狙っているものなのかわからない。
木村カエラといえば、近年は「Butterfly」が結婚式の定番ソングになっていたり、屋根の上で妙な踊りをしてたり(※CM)、そりゃ、ある一定の年代の女性にはなんだか人気があるけれども。
優雅にスローに作業するレジの女性に「頼むから早くカバーをかけてくれい~!」と心の中で懇願しつつ、こっそり購入してみた。
気になる中身は……。
冒頭から「すてきなカップル」として、報道関係に寄せられた木村カエラのコメントが1ページ以上にわたって掲載されている!! 続いて、瑛太の公式サイトでのコメントも約1ページ!! ひえー。
二人の結婚についての記述の後にくるのは、「カエラという名前」という小見出しだ。
「カエラは英字表記すると『kaela』となる。ヘブライ語で『最愛』という意味があるようだが、本人は、名前に深い意味がこめられているかどうかは知らないようだ」「一説によれば本名は『カエラりえ』だという」
??? そういえば、本人の「自伝」をゴーストライターが書く本は多数あるけれど、本人と全く縁のない人が「~ようだ」「一説によれば」でぐいぐい突き進む有名人本というのも珍しい気はする。
本の構成は「音楽の中で育った」「モデルになる」「歌手への道」「舞台は広がった」「いよいよスターに」「新しいスタート」の6章立てだが、女性誌の特集よりもユルい内容の、分厚いハードカバーの本。
イチローや中村俊輔の「偉人伝記」シリーズというよりは、昔、『小学○年生』などの学年誌についてきた付録「松田聖子物語」とか「ピンクレディー物語」に似ている気がする。
他に、この「素顔のアーティスト」シリーズには、ゆず、新生EXILE、Perfumeがあり、さらに「情熱をかなでるミュージシャン」シリーズの顔触れは、EXILE(また出た!)、コブクロ、絢香、ラルクアンシエルとなっている。
EXILEの素顔・情熱が描かれた本といえば、お金の儲け方指南とかが書かれてたりするのだろうか。ちょっと興味深い。
新しいようで、懐かしく牧歌的な有名人本、一度読んでみませんか。
(田幸和歌子)
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