ひょうたんを種から育てるところからはじまり、収穫したひょうたんでいろんな種類の楽器をつくり、みんなで演奏する……というなんとも酔狂?? な活動をしている人たちが大阪にいるらしい。ひょうたんは食べられるわけではないけれど、あのお酒のとっくりのような形状がおもしろいですよね~。
そういえば、故・中島らも氏もひょうたんで「ヒョータリン」なる自作の楽器を作っていましたっけ。

そんなわけでまさに「瓢箪から駒」!? な活動を行う、『ひょうたんオーケストラプロジェクト21(通称、HOP21)』。
事務局の植田朋子さんにお話を伺ってみたところ、「私たちのテーマは『種から育てるオーケストラ』というもので、栽培し、作り、演奏する』という3つの活動を全部やる、というところに意味があります。ひょうたん栽培だけのマニアなら、世の中にはもっとすごい方がたくさんいらっしゃいますし、ひょうたん楽器というだけなら民族楽器にもあるのです」とのこと。

ちょうど春から種まきがはじまるのだそうで、夏のあいだに急成長し、収穫するのはハロウィンあたり。そこからアイデアをふくらませて楽器つくる……、というなんとも気の長い話である。
「そこまで時間と手間を費やして、やっと出てくる音はなさけなくて調子はずれ。結果というよりも、プロセス全部を楽しんでるという感じでしょうか」

そうやってできあがった楽器は、ご覧の通り。「カオレレ」(顔のついたウクレレ)「ひょうたん二胡」といった弦楽器のほか、「ひょう琴」「ひょうたん笛」などなど、実にバラエティ豊か。楽器自体にも、アート作品のような趣きが。

ひょうたんは自然のものだけにその年によって出来も違えば、大きさや形状もいろいろ。それだけに、どう生かそうか考えるのが楽しいのだそう。
「思い通りにいかないことも多いのですが、逆に予想以上のものができることもあって。そういうところがおもしろくて、やめられないのかもしれませんね」

とはいえ、毎年8月8日(ひょうたんの日!)には大阪の『フレイムハウス』なるレトロカフェで定期演奏会を行うほか、金沢21世紀美術館といった場所でも演奏するなど、ゆるやかに活動の場は広がっている様子。「ワルツ」や「ボレロ」などの現代音楽っぽい演目のほか、最近は『ルパン三世』や『2001年宇宙の旅』のテーマなどキャッチーな曲を演奏することも。
何ごとにもスピードが重視される世の中で、このスローさとゆるさはあるイミすごい。脱力を誘われる演奏に、あなたも忘れかけていた心の余裕を取り戻してみてはいかがでしょう??
(まめこ)

○HOP21のひょうたん栽培講座
初心者にも育てやすい「千成ひょうたん」の苗をお配りし、上手に実らせるコツを、HOP21のベテランメンバーが伝授。プランターでも、マンションのベランダでも栽培可能です。

2011年5月8日(日)午後1時~3時
場所:フレイムハウス
大阪市中央区淡路町1-6-4
TEL 06-6226-0107
http://www.katana.cx/~fureimu
詳細はこちら
http://fureimum.exblog.jp/12997832/
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