この道を車で走行していると、音楽が聴こえてくる。
何のために曲が流れるのか? たとえば車が法定速度で走行した場合、ちょうど良いテンポでメロディーが聴こえるようになっている。しかし、速度をオーバーしてしまうと曲のテンポも速くなる。車を運転するドライバーはそれに気づき、車の速度を落とすというわけだ。それ以外にも、眠気や退屈感を防止する効果がある。
これは、北海道の「篠田興業」が2005年に開発したもの。舗装道路に溝をつけ、タイヤとの摩擦で音を鳴らす仕組みが考案された。今では全国6カ所に「メロディーロード」があるという。
そんな同社が、新たな道路を開発! 今度もスゴい。なんと「しゃべる道路」である。
どう、しゃべる? 今、完成しているのは2パターン。交差点前では「交差点です、交差点です、止まってください」という台詞が。
この新道路について、同社に伺ってみた。どのような技術を用いて、“しゃべる”なんてことが可能になった?
「生の音声を録音してコンピューター処理を行い、声の変化を1溝毎に再生する技術です。次々と変わってゆく音声の周波数と音量を再現し、人の声に似た“擬声音”として路面から再生します」
そんな、今回の「しゃべる道路」の実証実験が行われたのは、昨年の12月3日のこと。11月20日から施工し始め、北海道の標津町にて完成となった。
「『交差点です、止まってください』という台詞は一番最初に施工したもので、少しまだぎこちなかったです。しかし、音の特性や音の長さを調整すれば、もっと良くなる余地はあります! 『カーブです、スピードを落としてください』は非常に評判が良く、私どもも満足しております」(同社・篠田社長)
現在、すでに同社では施行を受付中。基本的に、人間のしゃべる文章なら何でも対応できるので、発注の際に「こういう台詞でお願いします」と、注文してみるのもいい。
「安全運転に対する心がけの喚起と、ちょっとしたジョークを感じていただければ、幸いです」(篠田社長)
こんな道路があるのならば、好奇心がわいて試しに走ってみたくなるかもしれない!?
(寺西ジャジューカ)