「医学の国ドイツの民間療法あれこれ」をお届け。まずは「鼻づまり対策」から。


家庭で手軽に行われているのが、蒸気吸引セラピー。ドイツ語で「Kopfdampf」ともいい、直訳すると「ヘッド スチーム」。文字通り、頭部に蒸気をたっぷり浴びる療法です。
手順は次の通りです。まずは洗面器などに、スプーン2~3杯程度の塩、または手のひらいっぱいのカミツレの花を入れ、約2リットルの熱湯を注ぎます。その洗面器をテーブルの上などに置いたら、自分は椅子に腰掛け、顔をできる限り洗面器に近づけます(やけどにご注意!)。

次に、厚めのバスタオルで頭全体をすき間無くすっぽり覆い、この状態でゆっくり深呼吸しながら10分間ほどがまん。途中で鼻水ポタポタ……となっても一切気にせず続けましょう。

ご存知のように、塩には消毒効果がある他、カミツレは鼻の粘膜を潤し、分泌液を分解してくれます。 その他、ユーカリプタス、タイム、ペパーミントなどの精油を使うのも有効です。ただし、花粉症などアレルギー症状のある方は、注意して行ってください。

鼻づまり対策には、体の部分浴(足浴、腕浴など)もよく行われます。
その際、使用するお湯の温度を、我慢できる範囲で徐々に上げていくのがコツ。汗をしっかりふいたら、その後はベッドに直行することが早期治癒につながります。

次に「咳対策」。

タマネギ茶が有効です。タマネギ1個を薄い輪切りにして、500mlのお湯でグツグツ煮ます。出来たスープをざるにあけ、好みによってハチミツで味付けしたら出来上がりです。

1日4杯を限度に、できるだけ熱々のところを飲むと、より効果的です。

最後に「下痢対策」!? を。

「下痢にはコーラ」。ドイツに来て初めてこの療法を聞いた時には、冗談かと思いましたが、実践している家庭が多いことに、さらに仰天。
まず重要なのは、コーラ(缶でもボトルでも)の口を開け、室温に戻しながら炭酸を抜いておくということです。冷たいコーラをがぶ飲みしたのでは、逆効果ですので。

こうして、炭酸がすっかり抜けた生温いコーラをちびちび飲みながら、塩ステック(画像)をポリポリかじるのが、コーラ療法です。

下痢による、体内の水分と電解質の損失を補うのが目的だということですが、いつか自分も試してみたいと思いつつ、下痢に苦しむ時に限って、コーラも塩スティックも備えが無く、実体験レポートが出来ないのが残念です。
(柴山 香)