「最高でー、最強のー、関ジャニー……?」
「エイトー!!!!!!!」

コンサートDVD「KANJANI∞LIVE TOUR 2010→2011 8UPPERS(パッチアッパーズ)」。関ジャニ∞の壮大なプロジェクトが、やっとこの一本で完結した。
胸がいっぱいだ!

昨年10月~今年元旦まで行われたコンサートツアーで、DVD収録日は昨年12月19日の東京ドーム公演。私が参加していた日である! 当日はステージ、天井、地上とたくさんのカメラが動き回っていたのをよく覚えている。そして、これは歴史に残るコンサートかもしれない……押し寄せる感動にブルブル身震いしていた。

プロジェクト完結までは、こんな流れがあった。

■シングルに謎の特典映像「パッチ」

さかのぼるは昨年6月。シングル「Wonderful World!!」、8月には「LIFE~目の前の向こうへ~」をリリース。それぞれに初回特典DVDとしてついてきた「プロローグ・オブ・パッチ」というPV映像が8本。今回初発表のメンバーソロPVが7本と、全員出演のPVが1本だ。全8本、映像のトーンがなんとなくリンクしている気がする。スーツを着ているメンバーが多い? しかしなんの説明もなくいきなりつきつけられた「パッチ」というキーワードに「???」状態。なんとなく、表舞台より裏の世界っぽくて、ライブハウスや乳母車がキーになるのかな? なんてポワンと思ったくらい。

はっきりわかるのは、なんだかいつもと様子が違うということ。
これまでの関ジャニ∞の特典映像といったら、寝起きドッキリやウソCM企画だったり、ゲラゲラ笑える楽しいものばかりだったのに。おちゃらけなしなダーク感。あぁこれはただのおまけじゃないぞ、「満を持した何か」が発表される……! そんな予感で胸騒ぎがしていた。攻めてきてるなエイト! くそう、くらいついていくぞ!と、意味ありげな特典映像を繰り返し見ては毎日ドキドキしていた。

■アルバムと短編映画

そして10月に発売されたアルバム「8UPPERS」。今まで謎めいていた「パッチ」の全貌がようやく明らかになった。初回限定盤に収録されていた約70分間の映像。それは、アルバムの楽曲に合わせてストーリーが進む、「8UPPERS FEATURE MUSIC FILM」という短編映画だった。楽曲提供者はすごい面々。ウルフルケイスケ(ウルフルズ)、DJ
KOHNO(ケツメイシ)、HIROKI(Dragon Ash)、横山剣(クレイジーケンバンド)、ROCK'A'TRENCH。

1曲目の、ウルフルケイスケ書き下ろし「Oriental
Surfer」は、このプロジェクトの象徴ともいえる曲。印象的なエレキギターのメロディがかき鳴らされると同時に幕を開ける映画。
タバコに酒、暴力、銃や凶器に催涙スプレー。ダークスーツに身をつつんだ関ジャニ∞が扮するのは、始末屋という闇の集団。依頼のあった重要書類や人物を、金と引き替えに容赦なく消していく。しかしある時、始末依頼のあったダンボール入りの赤ちゃん。7人で育てることになったのがきっかけで、7人の暗い過去や想いが明らかになってくる。交錯する愛情に友情。そしてめまぐるしいアクションシーン。捨てられた赤ちゃんをめぐってスピード感を増すストーリー。1シーン1シーンおそろしいほどマッチする楽曲……まさに「満を持した何か」がこれだった!

ちなみに「8UPPERS」には、グループ名に入っている「8」以外にも「PATCH UP(つぎあて)」という意味もかかっている。

■コンサートツアー

「8UPPERS」プロジェクトを直に体験するコンサートツアーはすごかった。映画の中から出てきたダークスーツの7人。ステージ上で錦戸亮がタバコに火をつける。
悪そうな顔でフーッと煙を吐くと、火がついたままのタバコを床に投げつけ、それが引火しステージが激しい炎に包まれて爆音のライブが幕を開ける。

映画の世界そのままのダークでハードな演出と力強い歌声。その世界に圧倒されていたら一転、キラキラ衣装にチェンジするとお尻をプリプリ振ってアイドルスマイル炸裂。ボイスエフェクトを多様したアレンジがパフュームみたいでかわいい!かと思ったら、天井まで届きそうな高さのスケルトンステージで激しくダンスを繰り広げたり、サンタとトナカイに扮して天から舞い降りてきたり、はたまたバンドスタイルになりはげしく生演奏したり!爆笑のゲームコーナーだってある!

■コンサートDVD発売

コンサートであまりに多くの情報を詰め込まれすぎて、年が明けても茫然としていた。かっこよくて、かわいくて、おもしろくて、楽器も歌もうまくて、夢があって、でもリアルで等身大な男でもあって……。改めてDVDを見てもやっぱり魅力がめまぐるしすぎて口を開けて放心するばかり。

コンサートの最後、客席隣同士手をつなぎあい、横山裕の「最高でー、最強のー、関ジャニー……?」の問いかけに「エイトー!」と叫び応え、つないだ手を天に掲げる。昨日まで見ず知らずだった人たちが、汗かいた手を握り合う素敵な瞬間だ。

まさに最高で最強……その威力はすごい。ジャニーズのキラキライメージをくつがえすダークな世界観に全力で挑戦した、「8UPPERS」プロジェクトの集大成。絶対に見る価値のあるコンサートだ。映像を思い出しながらレビューを書くいまも、画面が滲んで見えなくなってきて……。
カメラワークも素晴らしく臨場感たっぷりのこの一本で、あなたも歴史の証人になるべき!(夏トマト)
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