日常生活ですっかり市民権を得たミネラルウォーター。「海外旅行ではじめて水を買った」というセリフも過去のもの。
コンビニへ行けば国産から海外産まで様々な銘柄がならんでいる。実際はどのような所に湧いているのか? 国内の源泉は何となく想像つくけれど、海外だとなかなかイメージがわかない。ここは思い切って……エビアンとボルビックを現地で汲んできました!

降り立ったのはスイス、ジュネーヴ空港。エビアンはフランス産だが、源泉があるエビアン・レ・バンの町は、フランスでもスイスに近いレマン湖畔にある。ジュネーブからの電車を降りると、(当然だが)すでに駅名がエビアン! リゾート地でもある街中はきれいに整えられ、まさにエビアンの薄ピンクのイメージ。水源であるカシャの泉は街中にあり、湧き出たばかりの生エビアンを心ゆくまで無料でいただいた。ああ、美味い! 

さて、次はボルビック。現地へは、まずパリから高速鉄道TGVでフランス中部の町クレルモン・フェランに向かう。そこからローカル線に乗り換えて最寄り駅に到着。(当然だが)すでに駅名がボルビック! 源泉は駅からタクシーで15分ほど先だ。敷地内にはキャンプ場などが併設され、ここも緑豊かなボルビックのイメージ。取水できる場所も敷地内にあり、心ゆくまで無料で生ボルビックをガブ飲みした。
うん、美味い! 

各水源近くには情報センターもある。「フレンチアルプスに降った雪や雨が大地の中で濾過され15年かけて湧き出ます」(エビアン情報ホール)、「水源地は3800haの広さを持ち、降った雨水が地下の火山層で年月をかけて濾過されることにより美味しい水が生まれます」(ボルビック情報スペース)と、たった今飲んだ水の学習も可能。公式ショップも併設されているので、グッズ好きは要チェック! ボールペンやグラス、キャップ、Tシャツなどが売られていた。商品の豊富さでは若干ボルビックの勝ちかな。

さて、そんなエビアンとボルビック、似ているようでまったく違う。そもそもエビアンはカルシウムやマグネシウムが多く含まれる水。ヨーロッパでは主にその硬水が飲まれている。一方で、ボルビックはフランスの水でもそれら含有量の少ない軟水で、日本の水の味に近い。料理への使い分けも簡単。その料理が生まれた地域と似た硬度の水を使うだけだ。簡単に言えば西洋料理には硬水、和食には軟水。さて、今日はどっちの水を使ってみる? 
(加藤亨延)
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