アメリカでは『Bridesmaids』という映画が公開され大人気。日本でも公開されるかわかりませんが、花嫁の付添人、つまりブライドメイドをすることになった女の子たちが、自分こそが新婦の一番の親友であることを証明するために、いかに花嫁が驚き、喜んでくれるお式やパーティー、プレゼントを企画できるのかを競い合うというドタバタ友情コメディ映画です。


日本ではブライドメイドという習慣はないのでこういった騒動は起きにくいかもしれませんが、それでも女子の間では、披露宴や二次会でどんな出し物を披露するかで新婦への友情を表してみたり、新婦が私だけに(!?)見せてくれるとびきりの笑顔やハッピー写真をいかに撮れるのかで競ってみたり、そんなプチ競争はあるかもしれませんね(笑)。

そこで今日は数多くのウェディングフォトを撮影されているワタベウェディングのフォトグラファー、喜多人門さんに、ウェディング・フォトを誰よりも上手に撮る秘訣を教えていただきましたよ。

「プロのカメラマンでも、撮影の前は必ず今回はどんな写真を撮るか事前にプランを立てます。どのような会場か、参列者が誰で何人くらいいるのかなどの情報から、必須ショットをある程度決めておくんです。その後新郎新婦と挨拶をした最初の瞬間の印象で、5~6秒後くらいには事前に考えていたプランにどのような肉付けをしようかという細かい方向性を決めます」と喜多さん。さすがプロのカメラマンさんですね!

普通はなかなかここまでできませんが、なんといっても友人の強みは新郎新婦をよく知っていること! まずは新郎新婦にとって両親はどんな存在だったか、ご親戚同士親しいのか、仲良しのお友達は誰なのかという事前情報をさりげなく本人たちに聞いておいたり、挙式会場や披露宴会場がどんな場所なのかネットなどでちょっと調べておくだけで一歩リードですね!

また新婦をきれいに撮るコツについてもお伺いしたところ、女性のアップ写真は上から、全身写真は膝の高さからあおって撮るというのが基本とか。でも顔立ちや体型は人それぞれなので、もう少し意識を深めることでさらにいい写真が撮れるそうですよ。

「まず新婦の横顔を見て鼻筋が高く通っているかを見ます。鼻が高い人はある程度どの角度から撮ってもきれいに撮れますが、もし新婦の鼻が低いようなら真正面や真横から撮影するよりも、斜め45度くらいから撮って鼻筋が見えるようにするといいですよ。また基本は上からですが、首が長い人は、顎を少し出してもらって横や下から撮っても美しく決まります。見返り美人のように背後から撮ったり、上半身を下からあおるように撮影するのもおすすめです」とのこと。他にも肩から腕にかけて露出するデザインのドレスが多いので、太めの花嫁さんなら腕の端が写真からはみ出るように画角を決めて痩せて見えるように撮るのもひとつ。


そしてなんといってもいいポートレート写真の決め手は笑顔! でも実は日本人にとって口角の上がったきれいな笑顔を作るのは少し難しいよう。特に結婚式で緊張しすぎて笑顔を出せない新郎新婦も多いようで、そういう時は挙式後に「今日はいかがでしたか?」とお声がけすると、ふっと緊張がほどけていい笑顔が出るのだとか。なのでなかなか笑顔の写真を撮れなかった時は友人という立場を大いに活用して、挙式後の安心した表情のふたりに迫ってみるというのはいかがでしょう?

最後に最近は一眼レフカメラやレンズ交換式のカメラを持っている方も増えてきたので、ウェディング・フォトに最適なレンズが何か聞いてみました。

「もしレンズを2本持って行かれるのなら、フルサイズ機の場合で50mmの単焦点レンズと70~200mmのズームレンズ。1本だけということであれば24~70mmのズームレンズがいいと思います。なるべく自然光を生かして撮影するのがおすすめですが、暗い室内なら焦点を合わせるのが難しくなるけれど、できるだけ明るいレンズを開放にして撮ったり、ズームレンズの望遠側で撮影すると雰囲気が出ますよ」と喜多さん。

新郎新婦の友人だからこそ撮れる、友人目線の素敵な写真。愛情や友情に溢れていても、テクニックの問題で思うような写真を撮れないこともあると思いますが、喜多さん伝授の秘訣を生かして、せっかくのチャンスをぜひモノにしてみてくださいね!
(鶴賀奈穂乃)
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