現代の照明器具はギンギンに光を出すネオンが象徴するように、電気をたくさん消費しながら「できるだけ強く明るくして一目を惹く」といった感じ。一方、昔の明かりは今の照明器具より明るさは劣るが、ぼんやりとしたやさしい光ならではのそこはかとない風情があった。
たとえば、ランタン、提灯、行灯など。

さて、日本では、3.11福島第一原発の大事故の影響から始まった節電の取り組みによって、にわかに注目がLED照明に集まった。そんな中、LEDを使ったランタン、提灯風の手提げランプ『BIG-16 充電式イルミネーションLEDランプ lantan mini』(阪和)というユニークな製品が8月1日に発売。ワイヤレスで七色に光が変化するのが特徴。また、タッチセンサーを搭載し、取って部分を軽く叩くいただけで電源のオン・オフ切り替えが可能だという。

どうしてこのようなランタン型LEDを開発したのか。
阪和さんに聞いた。
「実は、1年ほど前からランタン型LED『BIG-06』とLEDイルミネーションライト『BIG-02/03』という商品を販売していました」
「おかげさまで、どちらもロングセラー商品となっています。そこで、ランタンとして停電時などにも簡易照明として使用できる『BIG-06』と部屋のイルミネーションライトとしても使える『BIG-02/03』の特徴を兼ね備えた商品をつくったらおもしろいと考えました」
なるほど、一石二鳥の商品にすればさらに好評を得るだろうと思ったわけだ。

点灯時間は最大で約50時間(弱設定)、イルミネーションライト時では約30時間それぞれ使用できる。イルミネーションライトとはつまり七色変化のこと。ちなみに、スタートから七色すべて点灯するまでの時間は、約30秒だそうだ。


ところで、明るさはどのくらい? 一灯で何畳くらいの部屋に対応するのか。
「調光機能2段階+イルミネーションの仕様で、調光が強設定で約120ルクス、弱設定で3ルクスです。基本手的に部屋を明るくするための商品ではないので、何畳ぐらいの部屋に対応するなどの推奨はしていません」とのこと。
前段で述べたように「ぼんやりとしたやさしい光」の照明器具であるから……。

夜、ゆっくりまったりとした時間を過ごしたいときの光の演出には役に立つ照明であろう。
(羽石竜示)