まず、頭に浮かぶのは物理的に破壊してしまうことだが……。そこで、このほどUSBメモリー廃棄ソフト『ED-HAIKI』(8月上旬出荷予定)を発表したアイ・オー・データ機器さんに聞いてみた。
「物理的な破壊もひとつの手段です。しかし、単にコネクタや基板を折るだけでは安全な状態とは言えません。コントローラやフラッシュメモリーに穴を空けたとしても、重要なデータが記録された箇所が無事であれば読み込む手段が残る可能性があります」
つまり、物理的な破壊というのは一見確実なようでいて、専門的な知識なしにやろうとすると意外にハードルが高いというわけだ。
なので、おもに重要データを多く抱える企業から、「どうすれば安全に廃棄できるか」という問い合わせが以前からしばしば同社にあったそうだ。その際には、「データを書き込んだ領域を復元できないように削除(ゼロクリア)して、かつパスワード入力もできないようにロックをかけて下さい」とアドバイスしていた。ところが、
「ゼロクリアには専用ソフトを使用するうえ、ロック状態へ移行するには規定回数パスワードを手動でわざと間違えなければならないという操作が必要でした。そのため、廃棄作業をするのに担当者がかかりきりになってしまうという不満の声を聞いていました」
そのような背景があって、データを完全に消去し再ログインを不可能にする『ED-HAIKI』を開発したわけ。
「起動・操作は数十秒もあれば完了します。また、廃棄USBメモリーを同時に4本まで認識可能です」
USBメモリーの容量の違いが作業時間に影響することはあるの?
「はい、容量によって時間は変動します。データ領域のすべてをゼロクリアにする都合上、たとえば1GBのモデルで数分~10数分かかります」
だが、その時間はほかの通常業務をしていてもオッケー。基本的に操作時以外は放置プレイでいいので、廃棄作業にかかりきりになる必要はないそうだ。
「数分~10数分の間は、ちょっと一服。お茶でも飲みますか」という感じだ。
あなたの使っている容量が小さく古くなったUSBメモリー、これで安心して新しいものに買い替えできます。
(羽石竜示)
※『ED-HAIKI』でデータ領域をクリアできるのは同社製の対象製品に限る