50円切手を数枚購入した際、切手と切手の間のミシン目が、ちょっと気になった。

切手などで、切り離しやすいように続けてあけられた穴を「目打ち」というが、通常の規則的な目打ちと違い、4辺の各1ヶ所に楕円の大きめの穴があいているのだ。

これって、いつから? 通常80円切手はよく使用するのだが、80円切手では楕円の穴は使用されていないはず。50円切手を買ったのは久しぶりだっただけに、全然知らなかったけど……。

郵便局の窓口で聞いたところ、
「いつからかははっきりわかりませんが、切りやすくするために一部大きな丸にしているのだと思います」とのこと。

次いで、郵便局・お客様サービス相談センターに聞いてみた。
「現在、楕円の目打ちが採用されているのは、オシドリ50円切手のみですが、今回が初めてではなく、実は1997年に日本で最初に採用されたケースがあるんですよ」
1997年には50円切手と270円切手の2種で採用され、さらに2007年の80円の記念切手でも採用された経緯があるのだとか。

オシドリ50円切手は、3度目の楕円目打ちのようだけど、いったいいつから?
「はっきりした発行日は定かではありませんが、オシドリ50円切手が更新されたのは2008年ですので、更新時に採用された形式ではないかと思います」

調べてみたところ、楕円目打ち切手が登場したのは2008年1月らしい。
もう3年以上前から採用されていたとは!

そもそもなぜ、目打ちの形を楕円にするのかというと……。
「点の目を楕円に変えることで、偽造防止するためです。普通の丸目打ちよりも、楕円目打ちは偽造するのが困難なんですよ」
実は、オシドリ50円切手のことは、切手マニアなどの間で話題になったことがあるそうで、HP内の「切手ブログ」(2010年6月2日付)でも取り上げられたことがあるようだ。

それにしても、「偽造防止」ということであれば、他の切手でも採用されそうなものだけど、なぜ50円切手でだけ? いちばん需要の高い切手ということなのだろうか。
「なぜ50円切手だけで採用されたのかは不明確ですが、オシドリ切手が新たに更新されたことにちなんでということだったのではないでしょうか」
ちなみに、現在のところ、この楕円目打ちを他の切手で採用する予定はないそうだ。

ところで、もともとオシドリのデザインの50円切手が発行されたのは、日本郵政公社が日本郵政株式会社、郵便局株式会社、郵便事業株式会社、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命保険の5つの新会社に生まれ変わった、平成19年(2007)年10月1日(月)。

HPを見ると、最初の発行時には通常の丸い目打ちだったことがわかるので、3カ月後に楕円目打ちが登場したとすると、今となっては逆に短期間のみ採用されていた「通常の丸目打ちのオシドリ50円切手」のほうが珍しいことになる。

もし家にあったら、とっておくと、後に貴重になるのかも?
(田幸和歌子)