昔から、「動物たちが騒ぎだすと地震が起こる」といわれる。有名なのはナマズだが、犬や猫などの身近な動物も地震を予知した行動をとることがあるという。


先日、千葉の幕張メッセにて、日本初のペット産業国際見本市「interpets(インターペット)-人とペットの豊かな暮らしフェア」が開催された。ペットに関連したさまざまなアイテムやサービスを扱う国内外の企業217社が出展。4日間で4万人近くが訪れる盛況ぶりだった。

会場では各種トークショーや体験レッスンなどのイベントもおこなわれ、そのひとつに麻布大学獣医学部の太田光明教授による「地震予知のデモンストレーション~あなたの犬は地震予知できるか?~」というセミナーがあった。

太田教授によれば、動物たちが地震の前に騒ぎだすのは、地震前兆に発生する電磁波を感知し、それに反応していると考えられるそう。ちなみに阪神淡路大震災では、神戸市など震源地周辺にいた犬の約20%がいつもと違う行動をとったことが報告されており、動物の地震感知能力に注目が集まるようになったとか。先ごろの東日本大震災でも19件の動物の前兆行動が報告されている(5月30日現在)。

セミナーでは、実際に犬が電磁波に反応するかの実験も実施。内容は、生体に影響を及ぼさない程度の電磁波を発生させているコイルの上を歩いてもらうというもの。電磁波を感知する犬の場合、装置をさけたり、後足で掻いたり、いつもと違う行動をとるという。

同フェアはペット同伴OKだったので、会場に来ていた人とその犬、10組程度が参加。結果的にこのときは明確に電磁波に反応した犬はいなかったのだが、
「一般的に、電磁波に反応する犬の割合は30頭につき1頭くらいですね」
と太田教授。
具体的な行動としては「訴えるように吠える」「穴を掘ったり、逃げようとする」などがよくいわれるが、なかには地震の数時間前になると決まっておもらしする犬もいたりして、犬それぞれ。タイミングも地震の数時間前から1日近く前までと幅があるようだ。もちろん、地震によってもタイミングなどは変わってくる。

自分のペットが地震予知できるか気になる人もいるだろう。
「雷も電磁波を発生させるものなので、雷が鳴る前から非常におびえているような犬なら可能性はあるかもしれません」
太田教授たちは次のステップとして、電磁波を感知できる犬には感知したら違うしぐさができるようなトレーニングも進めているそうだ。

米国に次ぐ世界第2位のペット大国である日本。実は、あなたの愛犬も地震を事前に察知しているかもしれませんよ。
(古屋江美子)
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