10月29日(土)、「映画 スイートプリキュア♪ とりもどせ!心がつなぐ奇跡のメロディ♪」の初日舞台挨拶がバルト9で行われた。

会場にはキュアメロディ・北条響役の小清水亜美さん、キュアリズム・南野奏役の折笠富美子さん、キュアビート・黒川エレン役の豊口めぐみさん、キュアミューズ・調辺アコ役の大久保瑠美さんが登壇。
それぞれプリキュアの着ぐるみもいっしょだ。

今回の映画はテレビシリーズと連動して地続きのストーリー展開になっている。10月23日の放送、第36話「キラキラーン!心に届け、ミューズの想いニャ!」でようやく正体を表した謎の仮面のプリキュア、キュアミューズ。謎の敵ノイズに洗脳されていた悲しい音楽の国の王メフィストは「伝説の楽譜」に記された「幸福のメロディ」を「不幸のメロディ」に変え、人々を悲しみの世界に突き落とそうとしていた。その野望を阻止するべくプリキュアたちと戦っていた。しかし、キュアミューズの正体はメフィストの娘のアコだったのだ。


優しかったお父さんであるメフィストを取り戻すために、いままでひとりで、正体を隠して戦ってきたキュアミューズを見たときに、昔よく、悪い父親を倒す勇者俺、みたいな妄想をしていたのを思い出した。俺にはミューズみたいに戦う力も勇気もなかった。

映画は、元の優しいパパに戻ったメフィストとミューズであるアコちゃんとの親子愛を描く。
「家族の大切さがみなさんに伝わればいいなと思いながら演じました」と大久保さん。
アコの母親でもあり、音楽の国メイジャーランドの女王アフロディテ。プリキュアたちが住んでいる加音町とメイジャーランドの住人は音楽がなによりも大切。
その音楽をアフロディテがうばってしまった。そして自分の実の娘、アコをも手にかけようとする。なぜ!?
アコのピンチにメフィストは、昔、家族みんなで歌っていた思い出の曲を歌い、なんとか助けようとする。アフロディテの攻撃にも決してひるむことなく、音が無くなった世界で、かつて自分が洗脳されていたとき、傷つけてしまった娘の心に届くように必死に歌い続けていた。

また、小さいときのことを思い出した。
もうなにが原因かは覚えていないけど、日曜日、外で遊んでいるときに、近所に住んでいた4、5人の子どもたちに石をや木の棒を投げつけられ追い掛け回された。
自分がなんでいじめられているのかもわからない。無我夢中で逃げ気づいたら家の前にいた。絶望した。家の中には父親しかいないはず、いつも俺を怒ってばかりいる父親、助けてくれるはずなんてない。家のドアの前でなきじゃくっていたら、父親が出てきた。
いまでも鮮明に覚えている。
父親に怒鳴りつけられたいじめっ子たちは蜘蛛の子を散らすようにいなくなった。
「お父さんは、俺を助けたかったんじゃなくて、寝ているのを邪魔されたから怒ったんだ」と思い、母親にそう言ったら、「そんなはずないでしょ!」と言われた。
当時は「絶対うそだよ」と思っていたけど、いまではその気持ちはわかる。
洗脳されていたときのメフィストも、目の前にミューズが立ちはだかった瞬間、娘のアコだと気づいたじゃないか。
ふだんどんなに頼りなくても、怒ってばかりいても、子どものことを想っていない親なんていない。

小学校、中学校と進むうちに父親の激しさはなくなっていった。
かつては家のなかで泣いてばかり、親の機嫌を伺ってばかりだった俺。
エンディングの「#キボウレインボウ#」で笑顔で踊っているキュアミューズは、俺なのかもしれないな。

あ、舞台挨拶の話に戻ろう。
映画「スイートプリキュア♪」では映画だけの新フォームとして、クレッシェンドキュアメロディが登場。
メロディだけが変身して、ほかのプリキュアたちはどうなるのか? という質問に「お父さんにすべてをたくしているので大丈夫です」。
声優陣によるプリキュアたちのポジションはメロディがお父さんでリズムがお母さんなんだそうだ。
ビートとミューズは姉妹。
ここでも頼りになるのはお父さんのようだ。

大久保さんは今回の映画について「何回でも観たいと思えるような作品になっていると思います。私もまた行きたい、劇場でお待ちしています!」とコメント。ミューズといっしょに応援しよう!
「映画の敵キャラクター、ハウリングはすごく強かったです。テレビシリーズでもこれからもっと強い敵が出てくるので、プリキュアたちががんばって悪い人たちを倒せるようにこれからも応援お願いします!」と豊口さん。
折笠さんは「映画公開の今日を迎えることが待ち遠しかったです。映画を観て感じた想いをまた別の方たちに届けてください」とコメント。
最後に小清水さん「映画にはほんとうの敵のノイズは出てきていない。ハウリングより強いなんてプリキュアたちはどうなっちゃうんでしょうか。でも、絶対に諦めないでがんばります! 小さなお友だちはミラクルライトーンを振って、テレビの前でも応援してほしい。大きなお友だちは心のミラクルライトーンでお願いします!」。
ミラクルライトは劇場で中学生以下の子どもたちに配られる観客参加型のアイテム。プリキュアたちがピンチのときにライトを点けると奇跡の力が起きる。
「プリキュア」を観ている子どもたち、いったいどんな風にライトを振って応援するんだろう。きっとこうだろうな。
「プリキュア、がんばれー! お父さんも、がんばれー!」
(加藤レイズナ)

エキレビ!では映画「スイートプリキュア♪」公開に合わせて「スイート」強化中!
プロデューサーの梅澤淳稔さんのインタビュー前編、後編(11/4日(金)更新予定)。
監督の池田洋子さんのインタビューは明日(11/2(火))更新予定!
どんどん語られる「スイートプリキュア♪」の話。読んだあとにはもう一度映画を観に行こう!