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●「やっぱり一番高いのが良いなって」
――せっかく書いたお話なのに、人に見せるのを躊躇したのは、『ひだまりゼリー』があまり売れなかったトラウマもあったのでは?
あさの それもありましたね。エッセイを書いた時に、ものをゼロから作ることの難しさがよく分かったので。でも、1、2か月くらいして、何かの機会で絵本の原稿を読み返した時、そんなに卑下するほどでもないかなと思い直して。どこかのコンテストに出してみるのも良いかなって。でも、絶対に“声優の浅野真澄”だと分からないように出そうと思いました。
――応募先に「おひさま絵本童話大賞」を選んだ経緯も、文庫版『ひだまりゼリー』のあとがきに書かれているのですが。エッセイと同じように真摯な思いを綴る文章が続く中、「賞金額が一番多いものを選びました」と書かれているのに、思わず笑いました。僕がラジオなどで知っている“浅野真澄さん”らしいなと(笑)。
あさの 絵本って、実は、たくさんコンテストがあって。副賞も、記念品、5万円、10万円、30万円、50万円と、コンテストによってまちまちなんです。それなら、やっぱり一番高いのが良いなって思うじゃないですか(笑)。