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スカイツリーの足元に『昭和酒場を歩く 東京盛り場今昔探訪』

スカイツリーの足元に『昭和酒場を歩く 東京盛り場今昔探訪』
『昭和酒場を歩く 東京盛り場今昔探訪』藤木TDC/自由国民社
今年5月22日に開業する東京スカイツリーは高さ634メートルにも達する世界最大の電波等である。21世紀に東京が得た、新しいシンボルといってもいいだろう。
しかし、そのスカイツリーの足元には、昔ながらの暮しを続ける庶民の町がある。藤木TDC『昭和酒場を歩く 東京盛り場今昔探訪』の第11章「東京スカイツリー下の酒場街~押上、業平、曳舟界隈~」には、押上で居酒屋を経営するある男性の声が紹介されている。
「工事現場にも観光客が来てるといってもねえ、ほとんどの見物客は浅草方面に戻って食事しちゃうんだよね。今どきの工事は職人さんも外で食事したり、作業が終わっても地元で飲んだりしないしね。地元にはなかなか金は落としてくれないよ…」
スカイツリーが開業すれば、隣接する商業地域にも人が集まる。その煽りを元からの商店が受けないはずはないだろう。
しかしこうした変化は電波塔周辺だけのものではない。昭和から平成にかけて東京という都市が変貌していく中で、幾度となく繰り返されてきたことなのだ。新しく生まれ変わろうとする動きを止めることはできない。ただ、古いものが忘れ去られることがないよう、街の記憶をどこかに書き記しておくことならできるだろう。
『昭和酒場を歩く』は、そうした街の記憶の書だ。

紹介されている盛り場は、新宿「思い出横丁」や池袋「美久仁小路、人世横丁(「生」ではなくて「世」なのは、かつて隣にあった映画館・人世坐からの転用である。人世坐の創業者は作家・三角寛だ)」、深川「辰巳新道」や有楽町・新橋のガード下酒場などさまざまだ。全15章でそれぞれの街が採り上げられており、16章は付録として絶滅の危機に瀕している酒場文化「グランドキャバレー」のために割かれている。

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