えーーー。
上記の金額を1日で割ると約1428円。確かに外食頼みだとそのくらいの金額はすぐ行ってしまう。そこで「自炊」ですよ。1食100円程度の予算で自炊をすれば、食費を年間で約40万円減らせるのだ……という錬金術を実現するための調理の工夫がこの一冊にまとめられていて、この春一人暮らしデビューの大学生や新社会人で、はじめてレシピ本を買おうと思っている男子にこそちょうどいい。
100円メニューといってもそこは男の子向け。丼ものやお肉をつかったメニューもちゃんと充実している。かといって「男の料理だ、ガツン!」みたいなボリューム&豪快一辺倒ではない。むしろ、少ない金額でもバランス良く食事が出来るように考えられていて、普段ちょっとは料理をする自分からしてみてもとても使いやすいのだ。
その使いやすさのポイントは一冊を通して貫かれる、料理に臨む姿勢の「さじ加減の良さ」だ。男らしく、いい意味での「割り切り」がうかがえる。
■調理行程はサクッと3ステップ!
全てのメニューが「3ステップ」以内の行程でまとめられている。逆に言うと、3ステップで作れる料理初心者向けのメニューが満載ということ。“鍋ひとつ”でできるレシピがまとめられている上に、丼ものや麺類だけじゃなく、麻婆豆腐定食だったり照り焼きチキン御膳といった“定食メニュー”も充実。定食だって3ステップで、しかも全部100円前後ってありがたい。
■凝った食材不要。単品材料で攻めろ!
キャベツだけ! ジャガイモだけ! 鶏肉だけ! といった1点突破もの。もしくは、ジャガイモとひき肉だけ! 豚肉とネギだけ! といった具合に、米や麺といった主食と調味料を除けば2つの食材だけで作れてしまうレシピばかり。そう、レシピ本って材料が細かければ細かいほど「アレもない、コレもない」となって、そこで挫折してしまうんですよね。下手に凝った食材やハーブなんかの香辛料も一切なし。近所のスーパーで確実に手に入る食材だけ! というその割り切り感、気持ちいいです。
■お一人様だから当然<1人分>表記
この本に出てくる料理の分量は全て<1人分>。「“自炊”本なんだから当たり前でしょ」って思うかもしれませんが、自炊を押し出したレシピ本でも「2回分」表記のものって結構多い。
■サイズと価格がちょうどいい
レシピ本って料理写真をしっかり見せたいから大判のものが多いけど、この本は新書サイズ。カバンに気軽に入れられるから、学校帰り、会社帰りに本を見ながらレシピを考えたり買い物するのに便利。そして税込み1050円のお手軽さだから、友達の進学祝いや就職祝いにもオススメします。
レシピ数90に加えて、巻中には『大人力検定』でおなじみ・石原壮一郎氏による「大人の自炊力検定」もあって、<自炊ができる男子はモテる!>という格言を実現させるための心がまえが学べてしまう。また、「ゆで卵道」「炊飯器ごはんを極める」「余った食材の保存・冷凍方法」といった読み物コラムも充実していて、すでに料理マスターの人であっても新発見があるはず。
著者名は“給食系男子”。“弁当男子”なら聞いたことあるけど“給食系男子”は初めて聞くフレーズだ。なんでも会社員、マンガ家、編集者、プランナーなどの調理道楽が業種の垣根を越えて集結した男性料理人ユニット。
(オグマナオト)