料理好きな人のあいだではすっかりポピュラーになった「塩麹」は、麹・塩・水を混ぜて発酵させた万能調味料。魚や肉を漬けておけばやわらかくなったり、味に深みがでるから、何かと愛用している人も多いだろう。


一方で、料理をし慣れない人にとっては漬け込むひと手間が面倒なのも事実。もっと簡単に塩麹を使いたい! という声に応えて発売されたのが、ドレッシングタイプの塩麹「かける塩麹」。なんとこれ、塩麹にグレープシードオイルと米酢、バジル、タラゴン、ニンニクを加えて、イタリアンテイストのドレッシングにアレンジしたもの。

たんなるブーム便乗商品じゃないの? というのは早い。商品を製造・販売しているのは、1750年創業、山梨の老舗造り酒屋「七賢」。実は同社は塩麹ブームよりはるか昔、明治時代ごろから、まかない食として「鮭の麹漬け」を出すなど、麹を料理に活用してきた歴史があるのだ。

そんな背景にくわえ、常連客からの要望もあって、「塩麹」の商品化を決定。2月に先行発売したところ、大反響だったという。

実際、造り酒屋の塩麹はひと味ちがう。一般的な塩麹は味噌造り用の米麹が使われることも多いが、同社の塩麹はすべて日本酒用の米麹を使用。ひとくちで米麹といっても、用途によって使う麹菌がちがい、味わいも変わってくる。同社の担当者いわく、
「酒造りに適したお米を使って酵素力の強い米麹を作るので、米由来の天然の旨味や甘味を感じることができるんですよ」
いわれてみれば、たしかに日本酒のような優しい甘さが感じられる。


ただ、塩麹がブレイクする一方で、「どうやって食べたらよいのか?」といった基本的な問い合わせも増え、もっと簡単に使いたい人が多いことも判明。そこで、より気軽に使える「かける塩麹」も開発。4月から販売をスタートした。
「原料も天然素材だけ。化学調味料も糖類も使っていませんので、お子さまにも安心して召し上がっていただけます」
ちなみにグレープシードオイルのビタミンEは、オリーブ油の2倍以上といわれ、ポリフェノール類が多くヘルシー。タラゴンは、料理の味を劇的に変化させることから「魔法の竜」とも呼ばれているそう。

さっそく私も使ってみたが、バジルやタラゴンの香りが爽やか。くどすぎず、薄すぎず、味のバランスも絶妙だ。いつものサラダもグッと洗練された味わいになったし、塩麹自体を味わっているような感覚も新鮮だった。

商品は全国各地のスーパーや同社のオンラインショップなどで販売中。価格は1本400円(税込/180ml)。サラダのほかにも、カルパッチョソースや温野菜の味付け、肉のソテーや魚のムニエルの味付け、パスタソースなどに幅広く使えるとのこと。


かけるだけの手軽さながら、食材の味をワンランクアップさせてくれるひと品。塩麹とはまた違う楽しみ方ができる1本です。
(古屋江美子)
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