公園で猫にエサを与える人を見かけることがある。
公園で出会う野良猫、と言うのはとても可愛い。
ついつい構いたくなってしまう。
しかし糞害問題がある。さらに人なつこい猫は心ない暴力、交通事故に遭うことが多いのも事実。

猫の餌付けは、どの自治体でも揉める元だ。
そんな公園猫を守り、さらに住民の理解も得たい。と、大阪市が打ち出した制度がある。

それを“公園ねこ適正管理推進サポーター制度”という。

これは、所有者不明ねこ(野良猫)をめぐるトラブルを防止し、「動物愛護の推進と都市環境の維持の両立」を目指して、市民よりサポーター(ボランティア)を募り、公園猫を適切に管理する制度のこと。

サポーターの仕事は大阪市が管理する公園に赴き、猫に避妊去勢手術を施す。そして一代限りとなった猫たちにエサをやる。掃除をする。場合によっては里親を探す……と、多岐にわたる。

“猫かわいがり”するわけではない。最終的な目的は公園から不幸な猫を減らすこと。手術だけして放置するのではなく、猫の最期まで管理する制度なのだ。

サポーターの三原則としては、
 ・避妊去勢手術を施すこと
 ・猫にエサやりをすること。置きエサは禁止
 ・周辺の掃除をすること

なおエサ代や手術代は基本、サポーターの実費負担。
手術代については1匹5000円で手術と病院までの送迎をしてくれる制度もあるが「年間300匹だけです」と限定。

それでもサポーター志願者は多い。現在110人で、23歳から年配までと年齢も幅広い。

サポーターの特徴は、腕章を付けていることだ。
腕章を付けることで、サポーターの証となる。そして無責任な餌付けと区別できる。そうして、近隣住人とのトラブルを避けるのが一番の目的なのだそう。


昨年より始まった制度だが、実際効果はどうなのか。
事務局に伺ってみると、昨年4月から12月までの8か月間で、認定を受けた公園の猫が合計で90匹減っている報告があったそう。
これはまず、手術によって子猫が産まれないこと、それと里親などで猫がもらわれていった結果にほかならない。

元はと言えば捨て猫が端を発することの多い公園猫。
猫を捨てる行為は”動物の愛護および管理に関する法律”に、後始末をしない餌やり行為は”都市公園を損傷し、又は汚損すること”に抵触する。
違反すると、逮捕・起訴され罰金刑に処せられる可能性もあるそうなので、くれぐれもご注意を。


サポーターは通年募集。気になる方はぜひ。
(のなかなおみ)