暑くてたまらない。そんな日が東京でも続いている今日この頃。
とにかくプールにでも泳ぎに行って涼しくなりたいものだ。日ごろ暑さを和らげるため、クーラー、扇風機以外で思いつく道具は昔ながらの団扇である。だが、例年使っているとだんだんボロボロになってしまううえ、手が疲れるわりにはあまり涼しくなかったりする。そこで、丈夫で涼しいうちわを探してみることにした。

一見、「なにこれ?」と思ったがよく説明を読むと『めでた紋うちわ』(ALART 丸信金属工業)といううちわであった。おなじみの紙製ではなく、なんとアルミ製。しかも、目出鯛、打出の小槌、亀甲、瓢箪(ひょうたん)といった縁起物のデザインが全面に描かれている。そんな丸いうちわである。

で、これの大きな特徴はデザインだけでなく、使い方にある。それはアルミという材質を生かして、冷蔵庫に入れて冷やすことで冷風効果があるというのだ。
「以前、水うちわが流行ったのですが、これは水に浸すのではなく、うちわ自体を冷やして使うという発想から生まれました」(同社)
なるほど、そんな使い方のうちわがあるとは知らなかった。

実際に手にとって見ると、とても軽く、紙のうちわとほとんど変わらない感じ。
また、フチはしっかり加工してあるので安全性に問題はなさそう。なにより感心したのはデザインの美しさだ。10種類のデザインうちわを並べてみると、とてもおしゃれなオブジェに見える。中でも気に入ったのは「目出鯛」。これ、鯛の赤い色が一際目立ち、いまにも鯛が飛び出てきそうなほど生き生きと描かれている。

夏場が終わっても、部屋に飾っておくだけの価値は十分ある気がする。柄がないので、扇ぎやすさの点はいまひとつと感じたが、飾ることを目的とした場合、かえって柄がないほうが設置するのにもデザイン的にもいいのかも。あと、なにげにテーブルに置いて、花瓶を上に載せておくのも、ひとつの使い方としてはありか。

この夏を乗り切るのにちょっとおしゃれで実用的なうちわで涼んでみては。
(羽石竜示)
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