その昔、まだ紙のなかった時代に、葉の裏側に文字を残してメッセージカードにしたのがハガキの起源といわれている。葉っぱに刻まれたメッセージなんて、なんだかそれだけでロマンチック! そう感じてしまうのは私だけではないだろう。
さすがに現代の郵便事情ではホンモノの葉っぱをそのまま送ることは難しい。だが、そんな古来のスタイルを現代的に再現できるアイテムがある。「リーフレター」だ。
実はこれ、葉っぱの形のミニレター。便せんと封筒を兼ねており、葉っぱに直接メッセージが書ける。書いた後は折りたたんで葉書サイズにしたら、切手を貼ればそのままポストに投函OKだ。
同商品を製作しているのは、美しい植物を販売するグリーンショップ「NEO GREEN(ネオグリーン)」。同店を運営する株式会社プランツピット代表の白田さんいわく、
「葉っぱをモチーフにした製品は今までにもいくつか販売されていましたが、どの植物種の葉っぱなのかまではわからないものばかりでした。植物屋が作るからには、なるべくリアルな葉っぱに近い製品を作ることに徹しました」
6種類あるデザインはアジサイやカシワなど、すべて実在の植物の葉がモチーフ。
「葉書の起源説を現代によみがえらせた製品にしようという思いがありました。そのため、リーフレターでモチーフにした植物種は都市に住む人たちにとって身近な種類を選んでいます」
見た目は葉っぱそっくりだが、素材は紙。実際にボールペン、鉛筆、筆ペンでの書き味やインクの乗りを確かめて紙質を選んだそうで、書き心地も抜群。ただし、油性サインペンなどインクが深く染みやすいものだと反対側に透けてしまうので注意。マットでほんの少しざらつく質感もそれらしい。
商品の開発には2010年2月ごろに着手し、2011年の3月に発売をスタート。ショップのウェブサイトや直営店舗で販売しており、価格は1,365円(3葉)~。デザインや美術関係の人たちを中心にプロ受けが良く、美術館のミュージアムショップなどでも販売されている。
大切な人への手紙として送るのはもちろん、花束に添えるメッセージカード、結婚披露宴でのメッセージカードなどにもぴったり。
昔から人々の想いを届けてきたメッセージツール、葉っぱ。あなたなら誰に送りたいですか。
(古屋江美子)