ロンドンオリンピックの閉会式で、大会組織委員会のセバスチャン・コー会長は、大会の成功は「ゲームズ・メーカーズ(Games Makers)」と呼ばれるボランティアのサポートのお陰だと彼らを賞賛。大会のメディア担当者も「ボランティアは貴重な時間を使って大会をサポートしてくれている。
尊敬する態度で接してほしい」と感謝の気持ちを表している。

2010年、五輪のボランティアに応募した人は24万人、その中から8万6千人が面接を受け、約7万人が選ばれた。ロンドンの街や競技会場周辺を歩いていると、紫色と赤色のユニフォームを身にまとったボランティアが笑顔で出迎えてくれる。少しでも立ち止まっていると、「こんにちは!」「大丈夫ですか?」と声をかけてくれるので心が安らぐ。

大学生から社会人、定年退職したという人などが、各競技場内外や駅、街、関係施設などで案内、受付、掃除などさまざまな業務に励む。開会式などで素晴らしいパフォーマンスを繰り広げた彼らもボランティアだ。雨の中、大声を出して誘導し続けるボランティアや、行列や混雑に困惑する観客たちを明るく盛り上げるボランティアなど、独自の個性が光り、大会の雰囲気を盛り上げるのにも一役買っている。

メディアセンターの案内を担当するジェニファー・モランさんは、「普段から週末は病院や子供たちのための施設などでボランティアをしている。イギリスでは気軽にボランティアに参加できる」と話す。日本選手の通訳をオリンピックから担当しているというユキさんは、「最初は、責任ある仕事を任されることに驚いたが、素晴らしい経験になった」という。また、五輪イベント以外でも、「ボランティアに参加することには慣れている」と話す人が多いのが印象的だった。

64年前のロンドン五輪で初めて登用されたボランティア。
今では影の立役者「ゲームメーカーズ」として大会に欠かすことができない存在だ。2020年、東京での五輪開催が決まれば、私たちにもその機会は訪れる。
(山下敦子)
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