夏の暑さはひと段落したが、これからは乾燥が気になる季節。全国に約800万といわれるドライアイ患者のみなさん、つらいですよね……。


ドライアイは症状そのものも悩ましいが、それ以外に見た目のデメリットも多い。「疲れている印象」を与えやすく、なかには「老けて見える」「ブサイク顔」などと感じる人もいるのだ。

実はこれ、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 ビジョンケア カンパニーがコンタクトレンズユーザーを対象におこなった意識調査で明らかになったこと。「ドライアイによる乾燥感や充血で目が辛そうにしている人を見たときにどう思うか?」という質問に対する回答だ。

調査結果には、老け顔・ブサイク顔以外にも、「機嫌が悪そうに見える」「生活が不規則そう」「集中していないように見える」など、マイナスイメージの回答がズラリ。うーん、あまり意識していなかった人にはちょっとショックかも。

では、いったいどうすればいいのだろうか? 同社では先日ドライアイに関するセミナーを開催。慶応義塾大学医学部眼科学教室の村戸ドール非常勤特任准教授がその原因や対策について最新の研究結果とともに教えてくれた。

まず、ドライアイの原因だが、これは数えきれないほどある。一般的に高齢になるほど、また女性のほうが多いといわれ、世界的にみるとアジア人に多い。また、コンタクトレンズの装用やVDT作業(※パソコンや携帯電話などのディスプレイを持ったVDT<ビジュアル・ディスプレイ・ターミナルズ)機器を使うこと)、乾燥した環境などもリスクファクター。ちなみに、コンタクトレンズ装用と長時間のVDT作業には症状悪化に対する相乗効果も認められている。


とはいえ、仕事の都合でパソコンなどのモニターと一日中にらめっこせざるを得ない人も多いだろう。厚労省ではVDT作業は連続して1時間を超えないようにし、あいだに10~15分の休止時間をとることを推奨しているが、現実的にはなかなかムズかしい。

もちろん可能な範囲で定期的に目を休めることは必要だが、ほかにもとれる対策はある。たとえば、エアコンの風を直接浴びないようにしたり、加湿器を使って部屋の湿度を適度に保ったり、まばたきの数を意識的に増やすのもよいそうだ。

コンタクトレンズ使用者の場合、裸眼よりもドライアイになりやすいので、上記の対策に加えてレンズの上から使用できる人工涙液型の点眼薬を使ったり、シリコーンハイドロゲル素材の1日使い捨てタイプに変えるなども有効。また、目の日焼けもドライアイにつながるので、UVカットつきのコンタクトレンズも一案だという。

スマートフォンなどの普及もあり、目を取り巻く環境はますます過酷なものになっているが、目の乾燥の軽減は見た目の問題だけでなく、作業の効率化にもつながるはず。私自身、今もすでにパソコンの前に2、3時間はいるかも。とりあえず、ひと休みします。
(古屋江美子)
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