ヨーグルトといえば、気になるのは、フタの裏にいつもついてくる分身のようなヨーグルト。そのまま捨てるのもしのびなく、人目を盗んで舐める人もいれば、スプーンでできるだけこそいで食べる人もいる。


でも、先日、4連のビヒダスヨーグルトを食べたとき、フタの裏にいつもあるはずのソレが全くないことに驚いた。
これって実はすごく画期的なことではないか。
なぜついていないのか不思議に思い、フタ裏を指先で触ってみると、少しざらざらしている。猫の舌先みたい。
これっていつからの変化なのだろうか。ビヒダスヨーグルトを販売する森永乳業の広報担当者に聞いた。


「フタを変えたのは、2011年10月からです。フルーツヨーグルトはやわらかいので、どうしてもフタの裏側にヨーグルトがくっついてしまいます。そこで、以前よりお客さまから『開封時、フタについたヨーグルトが手についてしまう』『食後にごみを捨てる際、洗うのが面倒』などのお声をいただいていたため、これらの課題を克服すべく、業界に先駆けて撥水加工された蓋材を導入しました」
実は、最初に製品を出すまでに約1年の時間を要したのだという。
「当社では、2010年2月に初めてアロエヨーグルトの期間限定商品で導入し、2011年10月からビヒダス4ポットタイプでも採用しました。その後、濃い旨ヨーグルトや、これで10種のフルーツヨーグルトなど、他の商品にも順次導入しています」

フタにつかない工夫は、どのような方法で実現したのだろうか。
「蓮の葉をヒントに、フタの表面に目に見えないほど細かな凹凸が無数にある素材に変更しました。
これにより、ヨーグルトをはじくことができるようになりました」
無数の凹凸でヨーグルトをはじくようにしたは、シンプルに見えて、けっこうスゴイ技術なのでは?
「撥水性機能を有する『TOYAL LOTUS(R)』を取り入れた容器です。『TOYAL LOTUS(R)』とは、東洋アルミニウム株式会社と森永乳業株式会社の共同で製品化に取り組んだ、撥水性機能を有する包装材料です。蓋材の最内面の樹脂に撥水加工を施すことにより、画期的な撥水性素材を実現しました。蓋材の最内面には、ミクロレベルの凹凸が無数にあり、ヨーグルトが付着してもすぐに転げ落ちるように脱落します」

フタの改良については、購入者から「感動しました」「ストレスフリーになって良い」「蓋の裏についたヨーグルトが大変だったので、すばらしい」「どんな技術なのですか」「子供の夏休みの自由研究テーマにしたい」「学校の授業で使いたい」などなど、多数の声が届いているという。

現在、森永乳業のヨーグルトで新しいフタが取り入れられている商品は18種。
地味だけどスゴイ技術力を、どうぞお試しあれ。

(田幸和歌子)