最近では雑誌の特集などで、社会人のルーズリーフ活用例が紹介されることもあり、ビジネスシーンでの使用にも注目が集まりつつあるが、それでも社会人全体としてはノート派が圧倒的に多い。
そもそも個人の好みやスタイル以前に、ノートやペンは会社の備品を使うという人も多いだろう。また、ルーズリーフはそれだけで持ち運ぶとカバンの中で折れやすいのが難点。かといって、バインダーごと運ぶとなると、かさ張ってしまう。営業先で商談のメモを取るときに、1枚ずつパッケージから紙を取り出すのもなんとなく様にならない。
一方、ノートなら、折ったり、なくしたりする心配はまずない。学生であれば、教科ごとにノートを使い分けるのがポピュラーだが、社会人の場合、一冊のノートだけを持ち歩き、会議や打ち合わせなどあらゆるシーンで活用する人が多い。情報はすべて時系列に記録されるから、スケジュール帳と照らし合わせれば、過去の情報を探すこともそれほど難しくない。情報の管理方法としては非常にシンプルだ。
とはいえ、デメリットもある。情報が雑多になりすぎるため、全体として見づらくなりがち。特定のプロジェクトの情報だけを見返したいような場合でも、あちこちのページに飛ばなくてはならない。残しておきたい重要な情報とその場限りのメモが入り混じり、使い終わったノートの保管に悩むこともしばしば。
ところで、社会人のなかには、ルーズリーフ自体、しばらく触っていないという人も多いのではないだろうか? 私自身、昨年末にマルマン株式会社の展示会に行き、およそ20年ぶりにルーズリーフを手にしたのだが、その進化ぶりに驚いた。
まず、サイズバリエーションの豊富さ。定番のB5、A4、A5に加え、B7のミニサイズや折りたたみタイプのワイドサイズまで実に多彩。ミニサイズは追記メモや情報整理に便利だし、広げて使うワイドサイズなら図やグラフも書きやすい。文字がキレイに書けるよう、うっすら縦線の入ったルーズリーフもあった。
さらに、冒頭も述べたルーズリーフ特有の「持ち歩きにくさ」を解消する商品もすでに生まれていた。同社が先日発売した「書きやすいルーズリーフパッド」は、なんとルーズリーフをレポートパッド状にまとめたもの。ノートの携帯性とルーズリーフの管理容易性を兼ね備えた、いいとこ取りのアイテムだ。
1968年からルーズリーフを販売しているマルマンの広報担当いわく、
「基本的にルーズリーフのメインターゲットは学生ですが、ターゲットを絞り込んだ、ビジネスマン向けのハイグレードシリーズ『ジウリス』などもあります」
同社ではバインダーのことを “ファイルノート”と呼んでおり、一緒に使用するルーズリーフやアクセサリーと合わせて「ファイルノートシステム」と総称している。それぞれ豊富な種類やサイズ展開が特徴で、ビジネスシーンはもちろん、旅の記録や絵本づくりなどプライベートにも活用できると提案。レシピをまとめるのに利用する主婦などもいるという。
知らないうちに、以前よりぐっと使いやすく進化していたルーズリーフ。昔懐かしい……というより新たな情報整理ツールとして自分なりのルーズリーフ活用術を考えてみるのも楽しそうだ。
(古屋江美子)
■ Marumanマルマン株式会社