スポーツ紙上においては、元日本代表の藤田俊哉が「香川の最も優れた技術は、一番いいポジションに、一番いいタイミングで入れること」と今季の成功の秘訣と今後に向けての課題を述べていた。だが何よりも重いのは、サッカーの母国であり、長い歴史を誇るイングランドのフットボールリーグにおいて過去最多の20度目の優勝を果たし、その一員に名を連ねたという事実。今後の日本サッカー史を語る上でも欠かすことのできない貴重な1ページだ。
マンUやイングランドサッカーを彼岸とすると、今年が20年目のJリーグ、そして日本サッカーはまだまだ歴史の重みが……とちょっと切なくもなってしまう。
この春、その「歴史の違い」を痛感させられる象徴的な事件が、日本のサッカー界で起こったことをご存知だろうか。
長年高校サッカーを牽引し、過去、13人ものサッカー日本代表選手を輩出した高校・静岡市立清水商業高校(通称・清商)がなくなってしまったのだ。
正確には、学校再編統合によって清水商業と静岡県立庵原高等学校とが2013年3月末をもって統合し、この4月から新たに「静岡市立清水桜が丘高等学校」が誕生したのだが、日本で最も有名なサッカー高校の名前が簡単になくなってしまう、というのが、ある種、日本サッカーの伝統の脆弱さと見ることもできる。