全米の高校の最終学年生でもあるシニアの大学進学者にとって、5月1日は「大学最終決定日」。この日を境に、6月初旬の卒業式までは既に高校生活終わった感一杯のようだが、将来の希望やプロム準備に心が踊る日々を過ごしている模様。


ハリウッド映画や、テレビドラマなどでおなじみかもしれないが、プロムとは舞踏会のこと。舞踏会と聞くと立派なダンス会を想像する人も多いが、高校生なので、実際には今流行のヒップホップなダンスミュージックをDJが流すスタイルが人気のようで、ダンスパーティーと言った方がしっかりくるかもしれない。

そのプロム、一般的には男女カップルで参加するのだが、誰と誰がカップルで行くのか、という噂はフェイスブックで広がり、元カノや元カレの嫉妬なんかも混じって、毎年壮大なドラマが繰り広げられる。

誘ってくれるのを待っていては参加できなくなってしまうため「こっちからアタックしなくては!」と女子も必死にアピール。

しかし、親友だと思っていた友達が自分の好きな彼を目の前で誘ったあげく、オッケーを貰ってしまい現在絶交状態。あっちこっちでいろんな女子に声をかけまくって最後の最後に「じゃあ君でもいいや」なんていう誘われ方で傷ついたり。カップル成立したと喜んでいたのに、目移りしたのか「他の女子と行く事にしたよ」なんて言い出す男子に傷ついたり…。とにもかくにも笑顔よりも涙や喧嘩がたくさんある、という事実も見逃せない。

そして何と言ってもこのプロムに付き物なのは、ゴージャスなドレス。オスカーのレッドカーペット並のイブニングドレスや丈の長いドレスを9割の女子が着てくる。女優さんやセレブのような出で立ちで、思わず「誰のドレスをお召し?」なんて聞きたくもなる。

男子はタキシードを着るのが基本。
カップルで蝶ネクタイとドレスの色を合わせたり、カップル同士の工夫がどこかに施されていて、見ているだけでも楽しい。

ここシカゴ近郊の公立高校だと、人数やスタッフ構成のせいもあるのか、ホテル会場やミシガン湖での船上プロムが主流のようだ。もちろん、そうなると費用も上がる。プロムチケット代、そして会場までの交通は最近では「リムジン」が一般化しつつあるようだ。

何とカップルだったらその費用は男子持ちなんだそう。「レディーが払う必要ない、ジェントルマン精神」ってことなのでしょうか? いやいや男子をお持ちの親御さん、大変ですね。

カップルでの参加のみ、というわけでもなく女子グループや男子グループでの参加も可能。そして強制ではないので、楽しみたい人のみで思い出づくりにはいいのかもしれません。

最後に、プロムの誘い方でアメリカンな胸キュンロッカー仕掛け(画像参照)なんか高校生らしくていいな、なんて思ってしまうのは年を取った証でしょうか? 以前アメリカの学校ロッカー事情でも紹介したが、こういうアピールの仕方もあるなんて、面白い文化が溢れているアメリカならではです。
(シカゴ/あらた)
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