京都・嵐山にある十三まいりで知られるお寺、法輪寺。その境内に「電電宮」という電気電波の祖神を祀る神社があって、家電メーカーやテレビ局、プロバイダやシステム、ソフト開発会社といったIT業界まで、電気&電波関係者がこぞって参拝しているらしい。


なんでも「電電明神」という神様が祀られており、パソコンやスマホのトラブルにご利益があるといわれているとか。いや、神社って「縁結び」とか「合格祈願」「子宝祈願」だけじゃないんですねえ…。

そんなわけで、私もこうしてネットニュースに記事を書かせていただいている関係から、執筆記事のアクセスアップを願って(!?)嵐山観光に出掛けたさいに立ち寄ってみた。

敷地内には、電気電波関係者の霊を顕彰する「電電塔」という石塔もあるのだが、この塔を見守るように外国人であるエジソンとヘルツのレリーフがあって意表を突かれた。日本の寺社としては、かなり珍しいのではないだろうか。

電電宮は幕末に一度焼失しているそうだが、昭和44年に電気電波関連業界の発展と反映を祈願して再建されたという。
参拝客は電波系の人ばかり…なんてことはもちろんなく、一心不乱にお経を唱える30代くらいの男性参拝客がいたりと、観光というよりぜひとも祈願したいことがあって訪れたのだろうなあ…という本気度が感じられた。

社務所の壁にずらりと貼られている祈願を読んでみると、「無災害」「無事故」「無トラブル」を願うものが圧倒的に多いのだが、「システム安定稼働」「バグ退散」などそれっぽい文言も発見。

販売されているお守りも独特で、画像のベーシックな電電宮お守り(700円)のほか、なんとケータイ用の「SDお守り」(1200円)なるものまであった。なんとこの御守りには法輪寺の本尊・虚空蔵菩薩の神秘的なJPG画像が入っており、待ち受けとしても使うことができるのだとか(!) お守りも日々、進化しているのですね…これは知られざる京都みやげとしても喜ばれそう。

渡月橋や桂川などザ・観光地のすぐそばにある神社だが、静かでゆるやかな空気が流れているので、ひとりでゆっくり考えごとをするのにもぴったり。IT関係者ならずとも、今やパソコン、スマホ等と縁のない暮らしをしている人のほうが珍しい時代。
トラブルは思っている以上にストレスがかかるものですよね……。最先端技術を司る神様という不思議な存在に思いを馳せつつ、電電宮をあとにした私でした。
(まめこ)