コロコロコミックでも特集が組まれ、バンダイが作っているということもあり、ガシャポンでも登場。かなりのヒットシリーズとなった。
結局これ、何なのかというと、変形ロボだ。例えば「馬」という字の形をしたプラスチックの固まりが、パーツに分かれたりして変形ロボのように、動物の馬の形になる、というような感じ。乗り物からロボットになったり、カップラーメンがロボットになる駄菓子みたいなおもちゃがあったが、そういうやつのトンチ度を上げた感じ。漢字も動物も、人を選ばないポピュラーな題材だし、デザインもいい感じなのが特徴だった。
「もじバケる」、最初は「犬」とか「鳥」とかだったんだけど、人気が出るとどんどんエスカレート。読めないぐらい難しい「麒(キリンのき)」「鰐(わに)」などが登場。小学生男子は難しい漢字大好きで、僕もその気持ちはよく分かるので「これはたまらんだろうな!」と見守っていた。
そして「もじバケるG」というシリーズも出る。
そんな状況でバンダイが出した新製品は、「もじバケるカナ」だ。漢字じゃなくてカタカナになるバージョン。ここで、こっち側にも、振ってこれる、パワー!
前置きが非常に長くなってしまったが、今回はこの「カナ」のレビューだ。「トリ」「サル」「リス」「ヘビ」「ゾウ」の5種、黄色や青の鮮やかなカラー。カタカナ2パーツが合体して動物型になる。今までシールだった表面のガラも印刷になり、1つ200円。
漢字よりも小さい子が遊ぶだろうから、飲み込んでしまうような、こまかいパーツがない。基本、回転させたり、ブロックのようにくっつけたりする。だけど今までに培われたテクノロジーによって、かなり密度高く折り畳まれた構造とか、「えー!ここでこっち軸に曲げるか!」みたいなギミックが効いていて驚きがある。文字、幾何学、立体位置関係の把握など、いろんな思考を刺激する。
そして「もじバケる」は、元々文字が動物になるので、動物になった時のフォルムが「多少無理がある」。「カナ」は画数も少ないし、余計抽象的なデザインになる。なので「組み立て見本」はあっても、組み立てる人間それぞれが「これでばっちり動物の姿!」と納得できるまで、より「見立て」のきく角度や関節の曲がり具合を模索することになるのだ。そういう、どこで終わりかを自分で考えたり、意見交換みたいな遊びもできる。
小さい子の知育玩具としてももちろん、周りが「もじバケるG」みたいなカッコイイ系を遊ぶ中で「僕はカナの素朴な世界の方が良いな」みたいな子が出てくるのもわくわくする。
ブームになったおもちゃとかって、どうしてもインフレが進んで「元の世界」からずいぶん離れたところに行ってしまい、元々のコンセプトも薄れてしまう。だけどこうやって、ヒットしてる最中にその逆方向のバージョンとかを出す。そういうことをしながら「スーパーのお菓子売り場の食玩コーナー」という広くはない場所で、アニメや特撮の人気キャラクターに囲まれて強く生きている「もじバケる」。是非買い物ついでに探してみてください。対象年齢は3歳以上です。amazonでも買えるよ!(香山哲)