フランスは世界でも主要な日本産ウイスキー輸入国であり認知度は高い。各日本メーカーも国産ウイスキーのフランスでの売り上げは年々伸びていると声をそろえる。数ある国産ウイスキーの中でも、どのような味わいがフランスで好まれるのだろうか。
日本のウイスキーは外国産と比べて女性的で繊細な味と形容されるが、種類や蒸留所により香りや味は千差万別だ。フランスでウイスキーは、スコットランドなどのものをイメージして飲まれるため、どちらかと言えばピートが利いたスモーキーなフレーバーが人気だという。ニッカで好まれるのは例えば「ピュアモルト ホワイト」などで、海藻やヨードに似た強いピート香を持つ余市蒸留所のヘビーピートタイプのモルトを主体としたウイスキーだ。
一方、サントリーでは「山崎12年」などが売れているそうだ。同商品はホワイトオーク樽熟成酒由来の甘いバニラ香と熟した果実香を持ち、2013年のインターナショナル・スピリッツ・チャレンジで金賞も受賞していている(同コンペティションは約90ヵ国からエントリーがあり毎年ロンドンで開催される)。
飲み方はカクテル以外ではストレートが主で、日本のようにハイボールは浸透していないが、日本メーカーの担当者によれば、若者の間ではライムソーダで割る場合もあるという。
日本産ウイスキーの人気は、小売店だけでなくパリのバーにも変化をもたらした。ウイスキーの種類を日本製だけに絞ったバーも現れたのだ。
ノートルダム大聖堂近くの路地に立つバー「キュリオ・パーラー」は、ウイスキーはニッカだけを集めたニッカ・バーだ。
(加藤亨延)