――その辺、詳しく教えていただけますか?
井出先生 体全体のバランスがズレているのに、口内だけいじるのは問題だということです。車に例えて言うと、四輪の内のどれかが変なすり減り方をしたら、タイヤ交換する前に車体を持ち上げ全部調べるはずです。車自体のバランスが悪いから、一つのタイヤの変なすり減りが起こるわけですから。それと一緒で、明らかに一部の歯のすり減りが激しい人もいるんですね。噛み締めや食いしばりって、歯に約200キロの負荷がかかるんですよ。
――体自体にゆがみがあるから、それが「噛み締め」や「食いしばり」となって表れ、歯の摩耗につながるんですね。
井出先生 車で言えば、ボディバランスが悪かったら車軸も上手く回転しません。要するに「体のバランスを直さず、歯ばかりいじってていいの!?」ってことなんです。そして、それが多くの歯科なんです。汚れや歯石を取る程度の施術だったらいいですよ? でも、被せ物やインプラントという話になったら、「車軸がズレてて、タイヤのすり減り方も違ってて、タイヤ交換ばかりしてていいの?」って話なんです。
――その知識って、他の歯科医は知らないことなんですか?
井出先生 たぶん歯科医全体の1%くらいには、知れ渡ってきたと思います。だけど、どうやって治していいかわからないんですよ。本当は、色々な方法があるんです。「舌を上に上げ、唇を閉じる」、「常に歯を接触させてはいない」という話から始まっていくんですが。