そんな時期に、高円寺に「漫画空間」という漫画喫茶がオープンした。どんなお店なのか伺ってみたところ、"漫画を読む"だけでなく、"漫画も読めて漫画を描ける"漫画喫茶だという。しかも店長の深谷陽さんは現役の漫画家。なんと20年ものキャリアを持つベテランです。その上、日本で6番目に絵がうまいとか(自称)。
でも、どんな経緯で深谷さんが店長になったんでしょう?
「名古屋で2010年に本店である『漫画空間1号店』ができまして、その店に目をつけた会社が出資して東京店を出すことになったんです。東京では特色が欲しいということで、プロの漫画家がいて実際仕事も見られて、アドバイスももらえるのがいいかなーというので、僕が選ばれました(笑)」
聞くと、漫画家さんはシーンと静かな空間よりも、多少ワイワイしていたほうが仕事がやりやすいそう。そういえば、知り合いの漫画家さんも人がいないと仕事ができない!と言ってわざわざお金を払って人を家に呼んでいました。
「一人でいるとうっくつして仕事が進まないですけど、アシスタントくるまでにこれをやっておこうとか思うし、むしろ話しながらのほうがはかどることもある」(深谷さん)
お店には鉛筆と消しゴム、ペンなど漫画を描くのに必要なものは準備されています。トレース台もトーンも個別に借りることができるので、手ぶらで来ても漫画が描けるのが強みだそう。