今回の開催国フランスで、初期から剣道発展に力を注ぎ現在、仏剣道連盟顧問を務める好村兼一さんという剣士がいる。海外という不慣れな稽古環境で剣道の最高位・八段に上り詰めただけでなく、作家として多くの本を出したり、兵法三代源流「陰流」と宮崎県・鵜戸神宮の関係について研究するなど文武両道の人だ。その好村さんに欧州の剣道事情についてうかがった。
――海外の剣道人口はどの国が多いのですか?
日本に次いで韓国が多いです。台湾も多いですね。これらは戦前から日本と交流があって広まった剣道です。もう1つはブラジルや米国本土もしくはハワイなどの日系移民の人々が広めた剣道です。これはアジア地域と違い、移民が日本の文化を忘れないようにと伝えてきた剣道です。今は増えてきましたが、本来は自分たちのコミュニティの中で維持するために行われていたもので、現地の人々に広めるためのものではありませんでした。
欧州の場合は、何も縁がないところに日本文化として広まった剣道です。欧州で剣道の歴史がもっとも長いのは、戦前に伝わった英国です。しかし今はフランスが剣道人口はもっとも多く、次いでドイツ、イタリアが並びます。フランスで剣道が興ったきっかけは、戦後アルジェリア出身のフランス人が日本人の武道家について、剣道を始めたと聞いています。ただし、その先生は剣道専門の人ではなく、修めた武道の内に剣道も含まれていて、その1つとして剣道を習ったそうです。