規則正しい生活を心がけていても、仕事の都合などで、食事の時間帯がズレてしまうときがある。
夜遅い時間に食べるのは健康にも美容にも良くないと思いつつ、空腹では眠れないし……。
結局、寝る前に麺類やおにぎりを食べしまい、後悔する日々だ。

でも、今は「夜型人間」の多い時代。「夜○時以降は食べない」とか言う人もいるけど、現実問題として、夕食が遅い時間になってしまう人はけっこういるだろう。では、どうしたら? 医療ダイエット外来で知られる、渋谷DSクリニック銀座院の管理栄養士・石川聖美さんに聞いた。

「食事の時間や回数が不規則だと食べる量が多くなったり、消化・吸収率があがったります。そのため、食事は極力3回に分け、量もタイミングも一定にするほうが良いのですが、夕食が遅い方にはそれが難しいので、1日4食をオススメしているんですよ」

「4食」って、さらに食べて良いってこと!?
「夕食の回数を増やすというよりも、『夕食を2回に分けてとる』ということですね。
夕食の時間帯によるんですが、たとえば毎晩20時以降に夕食をとる場合、ご飯や麺などの『主食』だけを前倒しして18時頃に食べ、20時以降には主食以外の肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく質と野菜をとることがオススメです」

2回に分けて食べる意味って、いったいどこにあるのだろうか。
「夕食が遅い人は、寝るまでの時間が短くなるので、消費するのが難しくなり、脂肪が蓄積されやすくなるうえ、胃にも負担がかかります。昼食~夕食の間の空き過ぎはドカ食いのもとにもなるため、夕方におにぎりなどで主食だけ先に食べておこうということです」

「夜遅くに食べるから」とカロリーを考慮し、「蕎麦だけ」「ラーメンだけ」などにする人もいるだろうが、実はこれはNGだそうだ。
「主食(炭水化物)は体を動かすためのエネルギー源ですが、材料を燃焼させ、代謝を上げるためにはタンパク質や野菜が必要です。特に外食では、高カロリー・高脂質で野菜が不足しがちですので、ダイエットを考える場合にも、単にカロリーをカットするというより、不足する栄養素をプラスしてあげる必要があるんですよ」

栄養バランスの理想は「和定食」だそうだが、では、具体的にどんな食材をプラスすれば良いのか。冷蔵庫などにストックできる食材のアイディアとは?
「たとえば、野菜をとれなかった場合には、野菜ジュースを。
1日1本を目安に、原材料に多種の野菜を使用しているものを選ぶよう心がけて。めかぶや、もずく酢もプラスしやすいですね。また、タンパク質としては、豆乳や豆腐、納豆、卵豆腐、茶碗蒸しなども冷蔵保存で1品追加しやすいですし、お魚の缶詰なども良いでしょう。今はコンビニでも煮魚、ひじき煮などの調理済みパックのおかずが多数あるので、そういったものをストックしておいてプラスするのも良いと思いますよ」
また、間食時に野菜ジュースや豆乳などをとり、足りない栄養素を補うのもひとつのコツだそう。

ついつい「カロリーをカット」することばかり考えてしまいがちだが、とったエネルギーをきちんと消費させるために、まずは食事のリズムを整え、足りない栄養素をプラスすることを見直してみたいものだ。
(田幸和歌子)