根付は江戸時代からアクセサリーとして使われていた細密彫刻だ。煙草入れや印籠を帯から提げるときの留め具として使われていた。動物などのモチーフが多く、丸みのある独特のデザインが多い。使っているうちに欠けたり、引っ掛けて服を傷つけないための工夫だという。その根付にセーラー服の女の子?

少女の根付を11点出品した永島信也に話を聞いてみた。
───セーラー服の女の子の根付を作ろうと思ったきっかけは?
永島:昔からある根付という媒体で、現代的なものを作りたいんです。『女神校生』『歌姫』『日を招く宴の踊り子』が新作。『歌姫』はツインテールのもので後ろもデジタルっぽくしています。
───ツインテール!
永島:モチーフは初音ミクなんです。女子高生や初音ミクはいろんなひとがやっているので。そこはやっておくべきかなと。過去の作品はお客さんから借りてきました。代表的な美少女の作品は全部持ち主がいるので手元に残っていないんです。

───『女神校生』はどんなイメージで作られましたか?
永島:年齢的なものもあって周りに女子高生がいない……。女子高生自体が自分のなかでリアルな存在ではないんですよね。アニメやマンガの中にいる感じがします。そこに羽根をつけて幻想的な要素を加えて神様の作品にしたイメージ。現実的ではないものに対してのアプローチとして作りました。