こうした疑問に、ある女性美容師さんは「黒髪+暗めな髪は、実際増えていると思いますよ」と言い、その理由として「単に茶髪に飽きた」「不景気で髪にお金がかけられないこと」などの他、考えられる要因を挙げてくれた。
「全体的な傾向として、茶髪よりも黒髪は、髪がキレイにパサツいてなく見えるメリットがあります。濃い色と暖色系は、肌うつりがよく、素材が生かされることもあります」
また、10代~20代などの若い世代の場合は、アイドル、タレントなどに清純派路線が流行っている影響もあるだろう。加えて、濃いつけまつげの流行が黒髪とリンクしていることも考えられるそう。
「さらに、ファッションにお金をかけるJJ世代が白髪染め世代になってきたこともありますね。白髪は、明るく染めづらいですから。加えて、傷み、艶がなくなる、パサつく、ハリ、コシがなくなる、毛量が減り地肌感が出る、年齢による髪の劣化防止などを黒髪のほうが感じさせにくいメリットもあります」
今の時代、全世代に流行るモノはあまりないが、「黒髪」は幅広い世代に受け容れられた稀有な例らしい。
「たとえばトップファッションの流れは、真っ赤な口紅とかスクールガール的なトップスやスカートが、ちょうど黒髪にマッチするということがありますし、一方、ナチュラル系のファッションの人は、もともと黒髪好きですよね。黒髪は、さまざまな世代、さまざまなカルチャーがたまたま重なり合った流行だと思います」