誰がなんと言おうと、私の中では十年くらい前からそう決まっている。個人的には、それくらいやさぐれた過ごし方が好きだが、愛してやまない姪っ子・甥っ子と酒を飲んで過ごしたいとも思っている。しかし、一緒に飲むには、まだ15年くらいかかりそうなので、毎年夢のある絵本を贈っている。そして、今年もその季節がやってきた。
小学校の一年生になった姪っ子には、少し難しい内容の絵本でもいいかもなぁと本屋さんを物色していたところ、「猫はひどい近眼」と帯にかかれた絵本を見つけた。その時点でとてつもなく興味をひかれ、ついつい手にとってしまった次第である。その絵本の名前は『動物の見ている世界』だ。

この本は「見る」ということについて、最新科学の成果とそれに基づく推測を交えて描いた、世界初の視覚科学絵本ということだ。難しく書いてしまったが、平たく言うと、同じ景色を見ていても人間、猫、犬、ワシ、ミミズ、ミツバチなど、生き物によって見え方が違うということを、実際に見えている景色を絵で表し、さらに文章で詳細に説明している絵本なのである。

「犬は嗅覚が鋭い」とか、「リスは、ほっぺたに木の実をたくさん詰められる」という、特化した特長についてはよく知っている方も多いと思うが、「見る」という部分はあまり知らない方がほとんどではないだろうか。実際、私もつい感嘆の声が出てしまうほど知らないことが多かった。