もちろん、小さな子どもは絵を見るだけでもきっと楽しいだろうし、もう少し大きい子どもは自分で読みながら他の動物の世界を少しずつ知ることができるだろう。
だが、内貴さんが言うように、大きくなった“元子どもたち”にも、忘れてしまった楽しさや、誰もが自分の世界を持っていてそれぞれに世界の見え方は違う、ということを改めて認識させてくれるのではないだろうか。
年齢を問わず子どもへのクリスマスプレゼントには自信を持ってオススメしたい絵本だが、かつての子どもたちにもぜひ手にとっていただきたい。それぞれに世界の見え方は違うということを理解し、その人の世界を受け入れられる人間が増えれば少し世界は平和になる気がしている。
(梶原みのり/boox)