日本アニメ(ーター)見本市 until You come to me.
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」の続きのようなシーンが、何の前触れもなく投下されました。

しれっと公開されて、ネットでは話題騒然。

ところが、Twitterや2ちゃんの反応を見ていると今までと雰囲気が違う。
「騙されないぞ」「信じないからな」「釣られないぞ!」

拒否反応の理由の一つは、「破」のラストで公開された「Q」の予告。
意味ありげなシーンが次々出てきたのに、「Q」ではそれがほとんど出てこない。
一応「空白の14年の出来事ではないか?」説もあがっています。
にしたって「予告じゃないじゃん」と。

庵野秀明は以前から、演出の中にハッタリをきかせています。

「僕がそう思ってないところまで深読みして、こうに違いないとか断定している人がいる。そうじゃないのにって僕は思ってるんですがね」
(「スキゾエヴァンゲリオン」)
AERA2014年8月11日号で、「クルミ割り人形」をみながらの安野モヨコと庵野秀明。
「物語の中での整合性を気にする人は多いんですが、嫁さん(安野モヨコ)の言う通り、世の中には理解できなくて不条理なことはいっぱいあります」

ファンも慣れてきたのか「ああ、ここは考えても仕方ないんだな」と感じるようになってきた。
それでも考察すること自体が、楽しい。
一部をさらってみます。

・エヴァ世界になかった冬がきた
アニメの「エヴァンゲリオン」の世界はずっと夏です。

このショートフィルムは、冬です。雪らしきものが振り、シンジくんは寒そうにしています。
コミック版の「エヴァ」では、最終回に冬が来ています。
19年越しに完結した貞本版エヴァに「シン・エヴァンゲリオン劇場版」のヒントあり - エキレビ!
最終巻が発売されたばかりで、冬を描いた動画が来るとは。

・惣流と式波のクロスオーバー
ぼくの今回一番の衝撃はここ。
シンジの記憶と思われるシーンに、旧エヴァの「惣流・アスカ・ラングレー」と、新劇の「式波・アスカ・ラングレー」が登場します。

今まで新劇場版では「惣流」の存在は一切出てきませんでした。
となると、このショートフィルムのシンジは「惣流」のいた時間軸も知っていることになります。
惣流……いたんだね……。

・青い海と赤い海
新劇場版で青い海が出てきたのは、「破」の海洋生態系保存研究機構だけ。基本全て赤い。
この動画では、青い海と赤い海が交互に出てきます。

旧エヴァと新エヴァが混じってます

・消える綾波
途中で「Q」の綾波レイ(「破」で助けた綾波レイではない)が登場します。
彼女は身体が溶けて消えていく。
今回彼女がなぜ消えたのか(「Q」の後なら消える必要がない)全くもって不明。

・ラストシーンの海とシンジとレイ
ラスト、描かれるのは青い海と、「Q」のプラグスーツのシンジ。夏。
かげろうのように現れるのは、制服姿の綾波レイ。

これはエヴァ第一話の冒頭シーンと同じ。
「Q→序(またはテレビ版1話)」というルートの可能性が出てきました。

・ダニーボーイ
かかっている曲は「ロンドンデリーの歌」。歌詞をつけたものの一つが「ダニーボーイ」。
戦場に向かう息子へ捧げる母の歌です。

夏が過ぎ去り、すべてのバラは枯れ落ちる中。

あなたは行ってしまう、私は待ち焦がれる。
でも、私は待っている、あなたが帰って来るのを。
牧場に夏が来て、谷が静まり、白い雪に覆われても
陽の中でも、日陰でも、私は待っている。
(訳詞・エキサイト翻訳+たまごまご)

ユイ視点とかんがえることもできる。
てか、エヴァをネタにした、「ダニーボーイ」のMVなんじゃないのこれ?


庵野秀明「虚構や夢の世界でそれを描くのもまたいいんじゃないでしょうか。それもサービスだし、エンターテインメントだと思います」
(AERA2014年8月11日号)

ファンとしては、エヴァの新しい燃料投下があった、それだけで嬉しいのです。
サービスされました。
だから、言いたい
「だまされないぞ!」
(たまごまご)