
――フォントにハマったきっかけは?
「アニメやラノべが好きで、いろいろなタイトルのロゴを見ていくうちに市販のフォントが使われていることが多いことに気づいたんです。それで、タイトルに使われているロゴを調べるようになって、その奥深さにハマっていったんです」
山王丸さんは「自分がこんなに面白いと思うんだから、他の人もきっと面白いと思うに違いない」と思い、フォント読本『書体の研究』を作ることにした。第1号は2008年8月に発行。その後、2013年まで年に1~3冊のペースで発行し、コミケで頒布していた。なんとオールカラーで700円。(全13号で発行終了)
――ものすごくしっかり作ってありますね!
「内容が地味なので、せめてカラー版にしないと売れないんじゃないかと思ったんです(笑)」
謙遜していた山王丸さんだったが、いつしか口コミなどで広まり、フォントのお仕事に携わっている人も買いに来るようになった。
「ちょうど、新しいフォントが次々と誕生した頃でもあり、『フォント見本帳』などを参考にしながら分析していきました」