外資系からコンビニものまでいまや、ドーナツ戦国時代(!?)に入った感のある日本。 でもやっぱり、子どもの頃から馴染みのある「ミスタードーナツ」がいちばん好き! という人も多いのでは? さて先日、友人が「昔、メリーゴーランドのあるミスドによく行っててさ……」 と話始めたので驚いた。


なんでも、行きつけだった大阪の今福鶴見にあるミスドには店内にメリーゴーランドがあるという。半信半疑で現地まで出向いてみたところ、内環状線沿いにある大型店舗で、外壁に「Great American Carousel Plaza」という重厚な馬のレリーフを発見! ちなみに、Carousel(カルーセル)は、メリーゴーランドの意味である。
店内にメリーゴーランドのあるミスドがある?  まるで、古き良きアメリカ映画のようだった

店内にメリーゴーランドのあるミスドがある?  まるで、古き良きアメリカ映画のようだった

ガラス越しに中をのぞきこむと、わっ、ホントにある! やや小さめのメリーゴーランドがきらめき、古き良きアメリカ映画のダイナーのような雰囲気を醸し出していた。なんて夢のある内装なんだろう……。あくまでも雰囲気づくりの装飾なので実際に乗れはしないのだが、思わずテンションが上がってしまった。
店内にメリーゴーランドのあるミスドがある?  まるで、古き良きアメリカ映画のようだった

店内にメリーゴーランドのあるミスドがある?  まるで、古き良きアメリカ映画のようだった

「ミスタードーナツ」の広報に問い合わせてみたところ、おもに90年代、こういったメリーゴーランドのある店舗を全国につくっていたそうだ。
ただ、改装の際に撤去してしまうケースも多く、現在でも当時のまま残っているのは大阪・今福鶴見ショップ、福岡・大濠ショップ、愛媛・フジグラン松山ショップの3店舗のみなのだそう(ちなみに、今福鶴見ショップのオープンは1990年)。そ、そんなに現在ではレアな店舗だったのですね……。当時は21世紀を目前にして、より未来を意識したエンターテインメント的な店づくりを、という意味合いもあったようだ。
店内にメリーゴーランドのあるミスドがある?  まるで、古き良きアメリカ映画のようだった

ところで、偶然にも4月9日より「ミスタードーナツ」では、メリーゴーランドがテーマの新商品が販売されていた。2015年のミスドはニューヨークのブルックリン流カルチャーがテーマとなっており、その名も『ブルックリン メリーゴーランド』! ブルックリンブリッジパークにある「ジェーンズ・カルーセル」をモチーフにしたドーナツで、「プレーン」や「チョコレートナッツ」など4種類があり、華やかにトッピングされた見た目にもそそられる。

“クッキー生地”と“ベーグル生地”をねじりながらリング状にすることで、“ザクザク”と“もっちり”という2種類の食感が楽しめるという。
この商品に限らずだが、やはりこのホームメイド感が「ミスタードーナツ」ならではの魅力といえるのかも。
店内にメリーゴーランドのあるミスドがある?  まるで、古き良きアメリカ映画のようだった

ちなみに、こちらが今回のイメージソースとなった「ジェーンズ・カルーセル」。メリーゴーランドマニアの私にとっていつか必ず訪れたい憧れの場所である。1922年製のヴィンテージのメリーゴーランドが美しく修復され、フランス人建築家のジャン・ヌーベルが設計したガラスの建物にすっぽりおさまっている。遠くから眺めると、まるでガラスの小箱にまわるメリーゴーランドが入ったオルゴールのようなの だ……。

と、そんなわけで「ミスタードーナツ」のレア店舗と、新発売の『ブルックリン メリーゴーランド』のエピソードをお伝えした。
いつの時代も、親しみやすい味とともに、時代の一歩先を行く“文化の香り”を発信し続ける「ミスタードーナ ツ」。お近くの店舗で『ブルックリン メリーゴーランド』の味を確かめてみるのはもちろん、大阪・福岡・四国へ旅する機会があれば、メリーゴーランドのあるレアな店舗に立ち寄ってみてはいかが?
(野崎 泉)