「留学先でいちばん苦労したのは性格が変わってしまうこと。僕の場合、日本にいるときはバカみたいに明るい男の子だったんですけど、向こうでは引っ込み思案になってしまった」

TBSの新ドラマ「天皇の料理番」文部科学省「官民協働海外支援制度 トビタテ!留学JAPAN」のタイアップによる留学応援トークイベントに俳優の鈴木亮平が出席。
自らの留学体験を振り返りながら、学生たちに留学の意義を語った。

鈴木亮平は高校1年生のとき、交換留学プログラムで米国オクラホマ州に1年間留学した経験がある。きっかけは「アメリカの女の子に恋をしたから」。ノリノリで渡米するも言葉の壁に阻まれ、消極的になってしまったと振り返る。

「留学先の友人には『日本人ってやっぱりクールだよね!』と喜ばれ、複雑な気持ちでした。内心では(本当の俺は違うんだ!)と思っているのに遠慮してしまってうまく自分が出せない。
ヨーロッパ出身の友人たちは英語が話せなくても、しっかり自己主張できるのに。そんな自分の弱点に気づかされるきっかけにもなりました」

会場から「期待に胸をふくらませて留学しても、挫折感しか味わえずに帰ってくる留学生がたくさんいると聞きますが……」という質問が投げかけられると、「留学しなかったら挫折すらできなかったんじゃないですか」とキッパリ。「留学そのものが有意義だったと思えなくても、その挫折経験をその後、どう活かすかが大事」とアドバイスした。

「僕もガッカリしたことはたくさんあります。ハリウッド映画のような高校生活を送る気満々だったのに牧場で牛に囲まれ、ホストファミリーが厳しくて週末のパーティにも行かせてもらえない。農場でカンヅメなわけです。
でも、留学しなかったら牛の去勢をしたり、タランチュラにさわったり、カウボーイと友達になったりできなかったと思うんです

牛の鳴き声をマネながら、去勢シーンを再現する鈴木。「みなさん、牛の去勢をしたことがありますか? ない人はぜひ、留学してください」と会場を盛り上げる。

また、「留学が今の仕事に役立っていることは?」という質問には「世界を意識して仕事をするようになった」と回答。

「今回のドラマでは役づくりのため、約20kg減量し、56kgまで体重を落としました。じつはプロデュ−サーからは『10kg減量してほしい』と言われたんです。でも、クリスチャン・ベールは僕とほとんど身長が変わらないのに、映画『マシニスト』(2004)のために54kgまで落としている。
たった10kgの減量じゃ全然たちうちできない。減量に限らず、外国人も日本人も関係なく、同じ土俵で闘いたいし、闘えるという思いは留学によって培われたものだと思います」

22歳から現在にいたるまで未来年表を書き続けているという鈴木。「ご自身の夢をぜひ英語でお願いします」というMCのリクエストも難なくクリア。「英語だとデカい口を叩いちゃうんですよね」と笑いながら、「最終目標としてはエンターテインメントを通じてイチローさんや渡辺謙さん、三船敏郎さんのように日本人男性のイメージを変えたい」と語った。

映画「TOKYO TRIBE」(2014)では役作りのために10kg増加、今回のドラマでは20kg減と役作りへの情熱がすさまじい鈴木。過酷な減量の成果がいよいよ明らかに! ドラマ「天皇の料理番」は4月26日(日)よる9時スタート。

(島影真奈美)