
いよいよ希の旅立ち。
能登の人たちはそれぞれのやり方で送ります。
大人も子供もみんなで「上を向いて歩こう」を歌い、友人たちは餞別をたくさん贈り、みのり(門脇麦)は、高志(渡辺大知)が横浜でバイトしているから頼るようにと、連絡先を希に手渡します。
お店の名前は「天中殺」。微妙に不吉ですが。
圭太(山崎賢人/大の部分は立)は、自分で漆を塗った栄えある第1号の箸を希にプレゼント。
でも希は「ほんならフォークにしてくれたらよかったがに(ケーキをたくさん食べることになるから)」などと言って「おまえそういうこというけふつー」と圭太をがっかりさせますが、あとで大切そうに見つめている希がいじらしい。
徹(大泉洋)は「世界中が希の敵になったとしてもおとうさんは希の味方だ」と芝居がかったことを言い、でも希はその言葉に「安心した」と微笑みます。
別れ際、いつもと同じ態度(話が大げさで中身がない)のほうが気楽だってことでしょうか。
元治(田中泯)は「まずいもの食うな。」と質実剛健な言葉を言いながら塩をたくさんくれて、文(田中裕子)は「私らちはいつでもここにおるさかな」とあたたかい言葉を。
あえて「駄目ならいつでも帰ってこい」とは言わないと決意した藍子(常盤貴子)の気持ちを代弁している感じです。
藍子は目に涙を浮かべながらも、最後の最後まで笑って見送ります。
バスに乗って旅立って行く希の姿に、来た来た、温存していた「希空」がかかり、感情を高めます。
「野菜食べなさい」とか「夜寒かったら靴下2枚履いて寝なさい」とか本当に単純な言葉ばかりを並べる藍子。でも、芝居がかった台詞よりも響きます。いや、お父さんも娘をほんとうに思っているんでしょうけれど。そういう意味で藍子と徹はバランスをとりあっているのかも。
ところで、みのりが、さらりと好きなひとがいると告白していましたが、彼女の言う「まんでいいおとこ」とは誰なのか? それが明かされるのは第9週のようなので、楽しみ。
(木俣冬)
タイトルバックに驚いた。NHK朝ドラ「まれ」1話をレビュー
お金がなくても生きていける「まれ」連続レビュー2話
朝ドラファンなら大泉洋と能年玲奈との共演作をチェックすべし「まれ」3話
ダメ男たちのドラマなのか「まれ」4話
いつも笑ってる家族が欲しかったら 自分でみんなを笑わせてみよう「まれ」5話
いよいよ土屋太鳳(本名)登場「まれ」6話
公務員の魅力をキラキラ語る土屋太鳳「まれ」7話
田中裕子の魔性について考えてみた「まれ」8話
「あまちゃん」との違いは時間の描き方なのかも「まれ」9話
本当の駄目人間とは「まれ」10話
こわくても夢をかなえたい「まれ」11話
地に足のついた「夢」を「まれ」12話
祭りん時の女の言葉をちゃ鵜呑みにしたら駄目やわ「まれ」13話
大泉洋の詩的な身体「まれ」14話
貧しいならではのお菓子作りを決意。名言炸裂「まれ」15話
いきなり見込みがあるかどうか聞いてくるようなやつには見込みなんかない「まれ」16話
常盤貴子演じる希のお母さんの驚愕の過去「まれ」17話
「聖者の行進」とは何の暗示か「まれ」18話
なあんもせんかったら怒られもせんけど仕事も覚えんわいや 「まれ」19話
大泉洋、門脇麦、田中泯、板尾創路…俳優たちの名言合戦「まれ」20話
やっぱり本当の家族が強いのか「まれ」21話
希家族、引っ越す「まれ」22話
ビジネスチャンスは規則の外にあるんだよ「まれ」23話
文さんクイズとは何だったのか「まれ」24話
タイトルに秘められた謎「まれ」25話
不吉な予感の「まれ」26話
国が悪いんげんよ「まれ」27話
「俺は漆にかぶれるんだ」板尾創路真骨頂「まれ」28話
金八の腐ったみかん、加藤登場に騒然「まれ」29話
漆もミルフィーユもレイヤー化する社会の象徴なのか「まれ」30話
フランスからおばあちゃん登場「まれ」31話
口ではなく手で「まれ」32話
卵は入れる前に常温に戻しておく「まれ」33話
夢と家族の大事さは比べられない、次元が違う「まれ」34話
妻が夫を駄目にする「まれ」35話
戸田恵子の完璧な「あ」「り」「が」「と」「う」「まれ」36話
テレサ・テンの歌が染みた「まれ」37話