近年、平成生まれの若手アスリートの活躍が目立ちます。しかし、1992年に開催されたバルセロナ五輪ではなんと14歳の日本人選手が金メダルを獲得するという快挙を達成しました。
その選手の名は岩崎恭子。今回は岩崎恭子も含めた日本人のバルセロナ五輪での活躍を振り返っていきましょう。

【バルセロナ五輪 日本選手は金3個!】


【14歳岩崎恭子の快進撃】
感動のバルセロナ五輪をもう一度! 最年少・金メダリスト誕生

14歳の岩崎恭子はもともと日本でも世界でもまったくのノーマーク選手であり、まさか金メダルを取れるとは誰しもが思っていませんでした。しかし、本番では2人の有力選手を指しきって見事優勝し、金メダルを獲得。レース後のインタビューでは「今まで生きてきた中で一番幸せです」という名言を残しました。

【マラソン陣の大健闘】
女子マラソンの有森裕子の走りも歴史に残るものでした。日本女子の陸上では実に64年ぶりとなる銀メダルを獲得します。そんな有森ですが、バルセロナ五輪前の選考では後にタレントとしても活躍する松野明美と熾烈な争いを繰り広げていました。これが尾を引いて今でも松野明美は有森裕子へのライバル心が強く、「私なら金メダルが取れていた」と語っています。
男子マラソンも奮闘し、出場選手3人がすべて好結果を残しました。(森下銀メダル、中山4位、谷口8位)特に期待されながらも転倒により8位に終わってしまった谷口浩美は「こけちゃいました」という迷言を残して多くの人の記憶に残りました。

【「お家芸」柔道の好成績】
感動のバルセロナ五輪をもう一度! 最年少・金メダリスト誕生

お家芸と呼ばれた柔道では、金メダル2個、銀メダル4個、銅メダル4個と奮闘しました。特に古賀稔彦と吉田秀彦の金メダルは印象的です。
というもの、本番前の練習で吉田は古賀に大怪我を負わせてしまいます。誰もが古賀のメダルはおろか、出場も厳しいのではと思いましたが、古賀は見事に痛みを堪えて金メダルを獲得します。そして怪我を負わせてしまった側の吉田も見事に金メダルを獲得しました。
この他にも柔道では当時16歳の田村亮子(現在の谷亮子)が銀メダル、金メダルを期待された小川直也も銀メダルを獲得しました。

【他の日本人選手の活躍】
また、この他の競技では体操の池谷幸雄がゆかで銀メダルを獲得、400m走の高野進が日本の短距離としては60年ぶりのファイナリストとして8位入賞を果たすなど健闘しました。
また、シンクロナイズドスイミングのデュエットでは奥野・高山組が銅メダルを獲得しましたが、本番の2時間前まで奥野史子と小谷実可子はどちらが出場するか争ったことが知られており、「ライバル伝説」として後にドキュメンタリーでも取り上げられました。

【もはや伝説 バスケのドリームチーム】


【外国のスター選手たち】
感動のバルセロナ五輪をもう一度! 最年少・金メダリスト誕生

他の国の有名選手では、カールルイスが100m走でまさかの代表落選も走り幅跳び、4×100mリレーで金メダルを獲得、そして「鳥人」セルゲイ・ブブカが金メダル確実といわれながらもまさかの記録なしに終わってしまったことが強い印象を与えました。
そしてもっとも世界中の人たちを魅了したのがバスケットボールのアメリカ男子代表。プロ参加が解禁されたこともあり、マジック・ジョンソンやマイケル・ジョーダンなどレジェンドクラスの選手が一同に一堂に会しました。このチームは「ドリームチーム」と呼ばれ、試合でも全8試合で平均43.9点差をつけて余裕の金メダルを獲得しました。

このように人々を魅了するオリンピックはもう来年にはリオで開催されます。日本からはどんなスター選手が生まれるのかという点でも注目ですね!
(さのゆう90)
(「アサヒグラフ バルセロナオリンピック 1992年 総集編」)
(「勝負魂」)
(「ドリームチーム ~バルセロナ五輪 1992~」)
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