北川景子演じるヒロイン・玲奈が、妹を死に追いやった悪徳探偵“死神”を追うドラマ「探偵の探偵」。9月3日放送の第8話では、死神の正体だとされる“さわやなぎなな”の個人情報を入手した。

さわやなぎ探索に注力したいところだが、またまた事件が勃発。刃物を振りかざした男に追いかけられた女がスマ・リサーチ社に逃げ込んでくる。DV被害者の拉致事件で、窪塚刑事と玲奈が助けた女性のひとりで、事件後に玲奈から手紙とブックボックス(本を模した収納箱)を受け取ったという。でも、玲奈はそんなものを贈った覚えはない。死神の罠を察知した玲奈は琴葉(川口春奈)とともに、凜を安全な場所にかくまうべく、ある町に向かう。

「おかしいと思うでしょうが、私にとってはこれがふつうなんです」(市村凜/門脇麦)
最終回目前だというのに、まだまだキャラが増えていくこのドラマ。第9話で登場したDV被害者・市村凜を演じるのは、門脇麦。「会ったばかりの頃はあんな人じゃなかったんです……」と弱々しく肩を震わせる人妻がめっぽうハマっている。
暴力をふるわれ、言われるがままに婚姻届にサインしたという凜。琴葉が「抵抗はしなかったんですか」と訊ねると「おかしいと思うでしょうが、私にとってはこれがふつうなんです」と答える。
今さらそんなこと言うなよ……という凜の発言に対し、原作小説では、玲奈は何も答えない。《凜が痛ましくて不憫でならない。なのに、あなたには価値がある、そんな気休めは口にできない》と考えたからだ。
一方、ドラマでは琴葉が盛大に凜を励ます。「助かったことには意味がある。そう胸を張って言えるよう、生きていきましょう!」「私たちが力になります」とポジティブシンキングの大盤振る舞い。その励ましかたがどうにも雑で、見ているこちらは不安しかない

「苦しめてごめんね。もう決心しました」(峯森彩音/中村ゆり)
ターミネーターのように何度でも蘇る、クレイジーお姉ちゃんが再び始動。琴葉に彩音から自殺をほのめかすメールが送られてくる。にぶちんの妹でも気づけるよう、“踏切から旅立ちます”とヒントを書き添えつつ、「わたしは自分が許せない」「苦しめてごめんね。

“さわやなぎなな”の男性説が浮上
玲奈が、凜の隠れ家確保や“死神”対策に追われている頃、“さわやなぎなな”に関する新たな事実が発覚する。さわやなぎななは、髪を短く切り、男として暮らしているらしい。ただし、役所で探偵に声を掛けられ、慌てて逃げていく姿は気弱そうで、“死神”のイメージとはほど遠い。ますます話がややこしくなってきた。

死神VS玲奈の闘いに決着はつくのか
破天荒な展開に見えて、じつは原作小説にかなり忠実だった本作。気になるのは今後の展開だ。第9話で登場したエピソードは『探偵の探偵3』の中盤あたり。原作小説はシリーズ4巻まであるので、まるまる一冊半ほど残っている。

ドラマ「探偵の探偵」を手がけたフジテレビの渡辺恒也プロデューサーは原作小説からのアレンジについて、こう振り返る。
「大きな流れは基本的に原作どおりですが、11話の連続ドラマにするにあたって、いくつかアレンジを加えています。例えば、第8話では窪塚の殉職後、“さわやなぎなな”という死神の正体に向かっていく回でした。

今夜放送の10話と最終回11話(9月17日放送)では、いよいよ“死神”の正体が明かされる。
「妹を失った始まりの事件の真相から、いかにして死神が玲奈の存在をつかみ、犯行を行ってきたのか、そして死神自身の目的は何なのか、全て明らかになっていきます。妹の復讐のために本来、なりたくなかった探偵という生き方を選択した玲奈が、探偵業という仕事の本当の意義を見つけられるのかどうか、死神との決着を経てたどり着くゴールをぜひ見届けていただきたいです」(渡辺P)

決着つくらしい! しかし、公式サイトには「死神の正体が分かった後にも、衝撃の事実がまだありますので、本当に最後の最後までご覧ください」(井浦新)というコメントも寄せられていて、油断ならない。今夜10時から!
(島影真奈美)
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