峯森姉妹死んじゃうよ
咲良みたいに見殺しにする気かな
カワイソー
澤柳奈々より”
急展開に次ぐ急展開のくドラマ「探偵の探偵」(フジテレビ・木曜夜10時〜)。9月10日放送の第10話では、とうとう宿敵“死神”が姿を現した。
半グレ集団に拉致された人妻として登場
北川景子演じる主人公・紗崎玲奈と、市村凜が初めて会ったのは、半グレ集団のアジト(第7話)。凜は、DVシェルターから連れ去られたDV被害者妻の一人だった。グレーの寝間着のようなワンピースを着て、おどおどした様子で玲奈を見つめていた。
何しろ、窪塚刑事(三浦貴大)は凜を助けようとしたところを、半グレ集団のリーダーに刺されて、亡くなっている。なんというはた迷惑! まさかの澤柳奈々トラップ。カラクリを知った上で「あの人に助けられるような価値があったんでしょうか」(第9話)というセリフを聞くと、印象がまるで違う。

「DV夫に追いかけられる人妻」として再登場
玲奈と凜はスマ・リサーチ社で再会した(第9話)。刃物を振り回すDV夫に追いかけられる凜を、伊根涼子(高山侑子)ら探偵課のメンバーが助け、オフィスに連れてきた。“死神”及びDV夫から凜を守るため、玲奈と琴葉は隠れ家を調達するが、かくまった相手こそが“死神”本人。まんまと凜の自作自演にダマされたというわけだ。
凜がすごいのは「DV夫と、その被害に遭っている妻」の関係は狂言ではないという点だ。夫は、本気で凜を追いかけているし、夫にとって澤柳奈々は情報提供者に過ぎない。“なんだか知らないけど、半グレ集団から連絡があって、澤柳という女が妻の情報をくれる”と心底信じている。妻と澤柳が同一人物だとは想像もしていなかった。

姉・彩音の“友だち”として琴葉を拉致
自殺をほのめかす姉・彩音(中村ゆり)からのメールを受取り、琴葉は慌てて隠れ家を出る。メールの位置情報をもとに、彩音を発見するが、どうも様子がおかしい。両手を広げて「胸に飛び込んできてよ、抱きついてよ」と強要。「玲奈なんかにダマされちゃダメ!」と言い出した揚げ句、「全部知ってるんだからね。全部、奈々が教えてくれたんだから!」。
琴葉の背後に近寄る影。正体はもちろん、澤柳奈々こと市川凜。彩音と協力して、琴葉に麻酔ガスを吸わせて連れ去る。ちなみに、「澤柳奈々」という名前は偽名。

無言で立ち尽くす白いワンピース
琴葉のメールから、澤柳奈々を名乗る人物からの不穏なメッセージが届き、玲奈はスマ・リサーチ社に向かう。オフィスに入ると「来ちゃ、ダメ! 玲奈さん逃げて」と琴葉が悲鳴を上げる。でも、時既に遅しで後頭部をドカッ。床に倒れ込んだ玲奈の前に姿を現したのは、白いワンピースを来た凜。黙って立っているだけなのに、隠れ家にいたときとは別人。さんざんおかしな言動を披露してきた彩音より、明らかにおかしい。マラソン大会のゴール直前でビリからトップまで一気に駆け抜ける勢いで、クレイジー選手権優勝。女優さんってすごい。

いよいよ、最終話では玲奈と“死神”が直接対決する。原作小説では琴葉たちが監禁された場所は品川の工業地帯。ドラマではスマ・リサーチ社のオフィスという違いは、話の顛末にどう影響を与えるのか。
(島影真奈美)
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