最近、新日本プロレスが再び人気を集めるなど格闘技が活気を取り戻しています。しかし、10年ほど前は大みそかになると、民放のテレビ局はこぞって格闘技の試合を放送していたのをみなさんは覚えているでしょうか。

あの時代はいろんな選手がいましたよね。しかし、その中でも一際目立った存在であり、一番の人気を集めていたのは「ザ・ビースト」ことボブ・サップだったように感じます。当時はリング以外でもバラエティやCMで多く見かけましたよね、そういえばピザーラとか日清焼きそばのCMでコミカルな演技してたっけ。

【ボブ・サップっていったい何者?】


ボブ・サップは日本で人気が出る前、ワシントン大学でアメフト選手でした。大学では薬学を専攻、アメフトの方ではNFL入りを果たし、絵に描いたような文武両道でした。
怪我もあってすぐにNFLを引退した後、PRIDEやKー1に出場。3度目のK-1優勝を誇るアーネスト・ホーストに2度勝利したり、ノゲイラに善戦したことがきっかけで大きな人気を集めました。
その後も曙に勝利したり(曙のカエル状態になった大の字KOは覚えている人も多いのでは?)、プロレス参戦でIWGPヘビー級王座になったりと活躍しました。

【ボブ・サップが人気になった理由は】


ボブ・サップの魅力といえばなんと言っても人間離れしたその怪力! 三角締めされている状態から相手を持ち上げて逆に相手をリングに叩きつけることもありました。技術は他の選手と比べると見劣りしましたが、それを補って余るほどのパワーを持ち、殴られても突進、本能のままに大ぶりパンチで相手をノックアウトしていました。
さらにリングの外でもその野獣のような風貌からは想像もできないような陽気なキャラクター、そして実は高学歴というギャップもウケて大人気に。映画「デビルマン」に出演したり、コロコロコミックで自身が主役のマンガが連載されたりもしていました。そういえば、『ガキ使』の「七変化」では笑いを取りまくり、現在も歴代3位の記録を持っています。

【その後はトラブル多く】


元々、サップはルールを無視して相手を投げ飛ばしたり、倒れている相手を上から殴ったりで反則負けすることもありました。

しかし、2005年以降、トラブルが表面化することがかなり目立っています。例えば契約問題のこじれで試合直前でボイコットすることもありましたし、近年ではファイトマネーが少ないという理由から無気力試合に徹し、12連敗しています。
また、韓国で催眠術師をしてるらしいという報道もあり、サップが再び格闘技界の中心へと戻ることはなさそうです。再び強い「ザ・ビースト」サップの姿を見たいという私たちの願いは叶いそうにないですね……。
(さのゆう90)
「K-1 WORLD GP 2005 in HIROSHIMA」
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