代表の死後に権力争いが起こるのは、会社・暴力団・宗教団体などに限ったことではない。2015年10月4日、スポーツ報知が全国に100店舗以上ある大勝軒グループが「大勝軒のれん会(以下のれん会)」と「大勝軒味と心を守る会(守る会)」に分裂し内紛が起こっていると報じた。
大勝軒は創始者の故山岸一雄さんの人柄に加え、弟子からのれん分け料や上納金を取らないため多くの修行志願者が集まり、90年代後半以降急激にお店が増えた。2015年の4月に山岸さんが亡くなったため、何か大きな動きが起こりそうな気配があったが、案の定分裂問題が起こってしまったというのが筆者の感想だ。
様々な問題があったようだが、食べる方として一番気になるのは「どちらが美味しい」という点。比べてみるべくのれん会と守る会の代表のお店に行って名物メニュー「もりそば」を食べてきた。
まずは東池袋にある「のれん会」の代表のお店へ。看板の上には山岸さんの生前の写真が飾られていた。
さっそく店内に入り、もりそば(750円)を注文。つけ汁にはのり・ゆで卵半分・なると・メンマ・チャーシューが入っている。
麺をつけ汁浸して食べてみると、ツルツル・モチモチした食感で、のど越しも良い。小麦の風味は強くはないが、酢や砂糖が入ったつけ汁からは鶏や豚などの動物系の旨味が感じられ、つけ汁に浮いた脂が麺に絡み適度にコッテリ感を与えている。やや化学調味料の味は気になるが、食べやすい味に仕上がっていた。
特筆すべきはチャーシューで、大きいだけでなく豚の旨味がしっかり残っている。部位はもも肉の一部を使っているとのことだ。
続いて「守る会」代表が運営する御茶ノ水の大勝軒へ。
メニューは「のれん会」よりも多く、時間帯によってはタンメンやカレー中華なども扱っている。
入店してもりそば(770円)を注文。つけ汁などの見た目は、ほとんど東池袋の「のれん会」のものと同じだ。
食べてみると、麺のつるつる、モチモチとした食感は基本的には同じだが、わずかにお茶の水の「守る会」の方が食感が良い気がする。つけ汁は東池袋の「のれん会」に比べ脂が少なく旨味が薄いため、よく言えば「あっさり」悪く言うならば「パンチが足りない味」
守る会は、名前の通り昔の味を再現することにこだわっているので、コッテリ志向の現代人向けにあまりアレンジは加えられていないようだ。若い人はのれん会、「コッテリした食べ物はちょっと……」という人には守る会が向いていると言えるかもしれない。
チャーシューに関しては「のれん会」のものに比べ旨味がなく、「のれん会」に軍配が上がる。御茶ノ水の「守る会」の店舗はチャーシューは2枚入っているが、量は東池袋の「のれん会」より少なく感じられた。
食べ比べるとより旨味が濃いめに現代的な味にアレンジされているのが「のれん会」、名前の通り昔からの味を守っているのが「守る会」のようだ。筆者は東池袋の「のれん会」の方が好みだった。
その他にも細かい点で違いを上げると、東池袋「のれん会」の方がつけ汁の器が大きく、値段もわずかに安い。スープ割をする際に東池袋はスープ割専用の割りスープが用意され、お茶の水の「守る会」はスープ割をする際に麺を盛った丼の水を使うなどの違いがあった。
個人的には驚くほどの大差があるようには思えないが、食べ比べてみても面白いかもしれない。ただし、「のれん会」「守る会」の加盟店であってもお店によって味が違うので、一概に代表が運営するこれらの店と同じ味と言い切れない部分もある。
(デビル麺)
大勝軒は創始者の故山岸一雄さんの人柄に加え、弟子からのれん分け料や上納金を取らないため多くの修行志願者が集まり、90年代後半以降急激にお店が増えた。2015年の4月に山岸さんが亡くなったため、何か大きな動きが起こりそうな気配があったが、案の定分裂問題が起こってしまったというのが筆者の感想だ。
様々な問題があったようだが、食べる方として一番気になるのは「どちらが美味しい」という点。比べてみるべくのれん会と守る会の代表のお店に行って名物メニュー「もりそば」を食べてきた。
のれん会代表の「東池袋大勝軒本店」
まずは東池袋にある「のれん会」の代表のお店へ。看板の上には山岸さんの生前の写真が飾られていた。

さっそく店内に入り、もりそば(750円)を注文。つけ汁にはのり・ゆで卵半分・なると・メンマ・チャーシューが入っている。

麺をつけ汁浸して食べてみると、ツルツル・モチモチした食感で、のど越しも良い。小麦の風味は強くはないが、酢や砂糖が入ったつけ汁からは鶏や豚などの動物系の旨味が感じられ、つけ汁に浮いた脂が麺に絡み適度にコッテリ感を与えている。やや化学調味料の味は気になるが、食べやすい味に仕上がっていた。

特筆すべきはチャーシューで、大きいだけでなく豚の旨味がしっかり残っている。部位はもも肉の一部を使っているとのことだ。

心を守る会の代表の「お茶の水 大勝軒」
続いて「守る会」代表が運営する御茶ノ水の大勝軒へ。

メニューは「のれん会」よりも多く、時間帯によってはタンメンやカレー中華なども扱っている。

入店してもりそば(770円)を注文。つけ汁などの見た目は、ほとんど東池袋の「のれん会」のものと同じだ。

食べてみると、麺のつるつる、モチモチとした食感は基本的には同じだが、わずかにお茶の水の「守る会」の方が食感が良い気がする。つけ汁は東池袋の「のれん会」に比べ脂が少なく旨味が薄いため、よく言えば「あっさり」悪く言うならば「パンチが足りない味」
守る会は、名前の通り昔の味を再現することにこだわっているので、コッテリ志向の現代人向けにあまりアレンジは加えられていないようだ。若い人はのれん会、「コッテリした食べ物はちょっと……」という人には守る会が向いていると言えるかもしれない。

チャーシューに関しては「のれん会」のものに比べ旨味がなく、「のれん会」に軍配が上がる。御茶ノ水の「守る会」の店舗はチャーシューは2枚入っているが、量は東池袋の「のれん会」より少なく感じられた。

味には驚くほどの大差はない
食べ比べるとより旨味が濃いめに現代的な味にアレンジされているのが「のれん会」、名前の通り昔からの味を守っているのが「守る会」のようだ。筆者は東池袋の「のれん会」の方が好みだった。
その他にも細かい点で違いを上げると、東池袋「のれん会」の方がつけ汁の器が大きく、値段もわずかに安い。スープ割をする際に東池袋はスープ割専用の割りスープが用意され、お茶の水の「守る会」はスープ割をする際に麺を盛った丼の水を使うなどの違いがあった。
個人的には驚くほどの大差があるようには思えないが、食べ比べてみても面白いかもしれない。ただし、「のれん会」「守る会」の加盟店であってもお店によって味が違うので、一概に代表が運営するこれらの店と同じ味と言い切れない部分もある。
(デビル麺)
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