89年から96年にかけ、日本テレビ系列で放送された過激すぎる特番『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!!』。
車のボンネットに芸人がくくりつけられたままバスに突っ込む、海パン一丁でマイナス6度の冷凍庫にぶち込まれる、タコが茹だるほどのお湯のプールに落とされるなどなど、クイズとは名ばかりの、芸人たちが無茶くちゃする(される)番組だ。

得意の爆破も、バズーカ砲から米軍のアパッチヘリコプター、さらにスカッドミサイルにエスカレート!
無駄に豪華な予算が投入されていた90年代ならではの奇跡のバラエティ番組、中でも屈指の「笑撃」を振り返る。

第6回「リュックサック爆破クイズ」(91年4月放送)


ダミー人形が木っ端微塵になるほどの爆薬が詰まったリュックを背負ったダチョウ倶楽部の3人。導火線に付いた火が迫る中、眼前の海へ飛び込むことで消火を図るが、ギリギリアウトで空中大爆発! 髪の毛が焼け焦げて抜けるという惨事の代償に大爆笑をゲット!

第7回「闘魂!! ウルトラビッグファイトシリーズタッグ字読みクイズ」(91年9月放送)


シューズの裏にある文字を読むために、獣神サンダーライガーに果敢に挑む松村邦洋。スタッフがもう少し手加減してくださいと頼むほどの猛攻を受け、顔面血だらけで泣き出すハメに。
このとき、治療費とは別に「ケガ代」が出たそうで、松村はそのお金で焼き肉屋へ直行。貧乏時代の松村にとって、これが初めて自分でお金を払った焼き肉になるそう。その生き様、芸人の鏡である。

第9回「溺死寸前! バス吊り下げアップダウンクイズ」(92年4月放送)


芸人たちが乗ったバスをクレーンで吊り、海に沈めてしまう、豪快かつ危険すぎる企画。沈みゆくバスの車内から必死で屋根に逃げる芸人たちだが、その日は地元の漁師も敬遠する大シケの海。波に飲まれる芸人たちを見て、演出を務めたテリー伊藤もディレクター人生の終わりを覚悟したほどだとか。全員無事で本当に良かった!

第10回「ビルの屋上急転落下! すべり台バンジージャンプクイズ」(92年10月放送)


高所恐怖症のダンカンが60数メートルの屋上で命懸けでクイズに答える。
「地球上で1番大きな両生類は?」
「カルーセル麻紀ぃ~~~!」と絶叫しながら落下していくダンカン、男の中の男である。(ちなみに、正解はオオサンショウウオ)

第11回「独占スクープ!! 水車拷問記者会見クイズ!!」(93年1月放送)


いつもは司会を務めるビートたけしが体を張った企画。芸能記者の質問に答えないと貼り付けられた水車が回る拷問だ。
当時、話題となっていた宮沢りえとの交際について振られ、「りえちゃんとは2度ほど食事に行った。2人でベイブリッジに行った。
それ以上は何もない」と告白。
この話題が翌日のスポーツ新聞各紙の一面を飾ったんだから、凄い時代である。
ちなみに、既婚者であるダチョウ倶楽部の上島が寿司屋の女性と交際中であることも、もらい事故的に発覚している。

第18回「大激走ヘリコプター暴走トラック乗り移りクイズ!!」(96年1月放送)


ラッシャー板前がヘリコプターから暴走するトラックの荷台に命綱なしで飛び移る! ハリウッド映画並みのアクションに、視聴者も参加者もハラハラドキドキ。早押しボタンまで何とかにじり寄るもクイズは不正解、たけしに怒られるラッシャーが悲惨すぎる。

バカバカしさと真剣さ、笑いと感動が紙一重なのがこの番組の凄いところ。命懸けで危険に立ち向かい、すべてをさらけ出して笑いを取りに行く芸人たちの生き様に、あらためて乾杯!
(バーグマン田形)
「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!! Vol.1」
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